「こんな状況でもホントにセミナーやるんですか?」
そんな声が少なくありません。福島市内での陽性患者が増えるなか、私の状況、指導自粛の連絡まで重なり、大きな不安になったのかと思います。
私の道場、、、というより門馬道場の自慢を一つだけ書いておきたい。
門馬道場は、「無理にでもセミナー(合宿)を開催しなければ潰れる」なんていう道場ではないということ。
社会の中で法人格を持った団体としてやっていく限り、収入を得なければなりません。特に門馬道場では、常設道場が各地区に必ずあります。それはどんな環境下でも(コロナ問題で公共施設が閉鎖になったときでさえも)、居場所が確保されているということで、門下生にとってはこれ以上ない稽古環境でもあります。
そんな充実した稽古ないし修行環境を維持し、さらにはいつでも何かあれば動いてフォローに入ってくれる職員の先生方もいる。だからそのためには、それなりの収入が必要になることは社会人ならば誰もがわかるかと思います。
それを差し引いてもなお。
このコロナ禍の中でも大会や合宿、審査会を強行しなければ、収入が足らずに運営していけない。そんな道場は数えきれないほどありますが、門馬道場はそうではありません。
経営の自慢ではなく、その意味するところは、余裕をもっていろんな判断にあたれるということ。道場の財政状態からの強い要請がないため、純粋に門下生を最優先した判断ができ、ノイズが差し込まれない。
言ってみれば、大会や合宿、審査会を強行しないといけない道場もあるといいながら、門馬道場だってセミナーや審査会をやっているじゃないか。そう思われるかもしれません。
けれども、経営上、やらざるを得ないで実施されたものと、経営的余裕を背景に、慎重な検討を重ねた上で判断を下して実施されたものでは全く異なります。
人生で初めて読んだシャーロック・ホームズは「赤毛クラブ」でした。赤毛の人だけを対象として、辞典を書き写すだけの一日数時間の作業だけで破格の報酬がもらえる。そんな奇妙な募集が事件の始まり。
明確な論理というものを初めて認識させられた機会なので、思い出深いエピソードです。それはさておき、破格な報酬があるからこそ魅力的なわけで、特に見返りが無ければ、辞典をひたすら書き写すなど苦行でしかないでしょう。
いま、コロナ禍にある子供たちも同じで、稽古をしても試す場や実感できる機会がありません。そんな中、どうやって空手へのモチベーションを維持するか。
その一つの答えが、昇級審査の実施であったり、セミナーで新しい型を習得することでした。そして余裕があるからこそ、感染対策の策定・実施まで徹底できるのです。
「こんな状況でも、セミナーは実施されますか?」
現時点では実施されます。でも道場としては、感染予防を徹底して安全を確保した上での開催。その中には、「安全が担保されない」と判断されたときには当然、中止という選択肢もあり得ます。何か決定があった際には、都度お知らせいたします。
思うに。
大事なのは、実施するかどうかの結果よりもその過程。
私は、開催すべきでないという理由を20個は言えます。それと同時に開催すべきという理由は、それ以上に言えます。
個人的には、現時点で判断するならば感染のリスクよりも開催することのメリットの方が比較衡量してはるかに大きい。
けれど、それが正反対、つまり開催すべきでないという視点からの検討が抜けた結論なんて危なっかしくて扱えたもんじゃありません。その意味で、開催すべきでない理由もそれなりに言えるのです。
外来も入院も、救急の受け入れもストップした、がらんとした病院にします。この危機の中で、普段接している人がどのように考えて、どのように思っているのか伺い知ることができる一面もありました。
どうか決断も含め、信じてついてきてほしい。
誰も正解が分らず暗中を模索するしかない状況のときだからこそ、冷静に頭を回し、視野を狭めない。そしてどんな危機的状況でもあきらめずに前を向き続ける。そんな力を育む武道教育を唱えて実践し続けてきたのが、私たちの門馬道場なのですから。
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