職場の病院が競馬場に隣接しています。それはもう、自分のいる建物からレース場が一望でき、膝の手術で入院した際には「馬券買わなきゃ！」と思ってしまうような絶好のロケーションなんです。そんな流れからウマ娘にどっぷりの状態です。ダイワスカーレットとエルコンドルパサーの育成で忙しい。
このゲームは長距離、短距離などの適正から、芝・ダートなど場にあったステータスを育成してレースの勝利を目指すもの。ゲームそのものも面白いし、実際の馬の人生（馬生？）の数奇なあり方も面白いです。
というわけでスキマ時間にちまちまパラメータとにらめっこしつつ、育成しています。このバランスが戦略のカギとなるので難しい。
戦略で社会人になって最初に叩き込まれたのは４Pというフレームワークでした。
Product（製品）、Price（価格）、Place（流通）、Promotion（販売促進）。
この４つの噛み合わせが重要だってことなのですが、この中で唯一、直接的に数字に影響を及ぼせるパラメータが、価格です。
空手で言えば月謝にあたるわけですが、果たしてどうなのでしょうか。
普通、私たちが手に取る商品は原材料があり、それが加工され、配達され。そんなコストが加味されたうえで価格が決まります。
だけど空手の場合、そうもいきません。
常設道場がどんとあって、師範が４０年以上修行されています。指導を預かっている自分が２０と数年の修行。それで得られたものを伝えるのに適正な価格はって考えると、正直わかりません。
あらゆる習い事、稽古ごとと比べればとても安いと思いますが、人によって感じ方も違うでしょう。
塾なら学力、水泳なら泳力、ピアノなら演奏技術。それぞれ得られるものがありますが、その中で空手は礼法、体力と、護身の能力。その中でも武道教育を謳っている門馬道場では「どんな逆境にも負けない心」を持てることを目的としています。
これって、根幹を支えることなので他の習い事にも生きるし、何よりこれからの人生のあらゆる局面で活かせる力だと思ってるんですよね。ゲーム風に言えば万能スキルというやつです。
目の前の大会に勝つこと、入賞することは短期的な目標ですが、長期的な目で見れば、内面のそういったものを獲得させてあげることを目的にしています。
けれどそのためには指導員や先輩だけではだめなんです。週１回でも週２回でも、圧倒的に家庭で過ごす時間の方が長い。つまり指導員よりも親御さんと過ごす時間の方が圧倒的に長い。
だからまずは道場の考えを保護者さんに理解して賛同いただかないと、ほんとの意味で子供たちを修行させてあげることができません。空手に限らず、習わせる方の熱意も、ほとんどの場合必要です。
ものすごく極端な言い方をすれば、道場に預けて帰る。空手を始めたばかりの小さな門下生はお父さんやお母さんの顔を見れば甘えたくなってしまいます。だからそんな方法も必要です。けれど安定的に稽古できるようになれば、普段の稽古も見守ってほしい。託児所のように使っている人と、普段の稽古を見守っている人では、例えば試合で負けてしまったときの言葉かけも変わってきます。くじけそうになったときにかける言葉も変わってきますし、それらは子供のやる気にも直結します。
「もうやめてもいいか」、「何とか続けさせる方法はないか」といった全然違った結論に行きつく現状を何度も観てきました。
何とかしないと、と思ってもこのコロナ禍の中、なかなか保護者さん方とお話しできる機会も減ってしまいました。
生きていく上で「どんな逆境にも負けない心」は必ず必要ですが、それはマーケティングで扱う商品のように形があるわけではありません。
ややもすればいかがわしいスピリチュアル商売になってしまいがちです。
結局のところ、指導員の生き方やあり方でそれを実感してもらえなきゃ説得力もないし、だめなんだなということなのでしょう。いろいろ頑張らないとですね！（私が）
さて、福島駅の演武まで残り１週間を切りました。道場一丸となって取り組みますので、ぜひ門下生の頑張る姿をご観覧ください！
県北地区 2021年チャリティ演武
１２月５日（日）
１５時～
＠福島駅東口広場
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