2017年10月24日火曜日

PRと武道オタク?

 いまでも忘れられない昔話があります。それはなんとなく児童向けの本で読んだ記憶があるのですが、いまとなっては大事な昔話です。あらすじを書いてみたいと思います。

 大岡政談のような雰囲気もありますが、正確な出元は分かりませんでした。記憶のあらすじですので細部は違うかもしれません。



昔ある城下町で、大変な人気を博した本がありました。ところが、その本の作者だという人物が二人も出てきます。お互いに「自分こそがその本の作者だ」と譲りません。
 奉行所でもお互いの言い分は変わらず、どっちが本物の作者なのか誰にもわかりませんでした。しかしお奉行さまはすこしも慌てる様子がありません。

 「自分が本物だというならば、その本の続きを書いてみよ」

 その結果、一人はすらすらと書きはじめましたが、もう一人はあれこれ悩み一向に筆が進まず、書くことができませんでした。こうして本物の作家がわかったのでした。

 周囲からもよく「書いている内容が難しい。そんなに考えている人はあまりいない」というようなことを言われます。ともすれば単なる武道オタクのような見方をされることもしばしばなのですが、PRについて少し書きたいと思います。


 もともとの仕事として、広報をばりばりの先輩の指導を受けながら携わってきたため、東京では貴重な経験をたくさんさせてもらいました。専門的なことはもちろんですが、ほかにもとある有名なドラマにロケ地を提供して撮影の管理をしたり、ドラマのロケということは出演する俳優・女優さんもいたり。はたまたジャニーズの某グループさんに医療の最前線を案内したり…。

 ところで広告とPRの違いについて、考えたことはあるでしょうか?よく例えられるのが、「北風と太陽」の物語です。旅人の服を脱がそうと直接ぶつける(訴求する)のが北風、すなわち広告です。PRは正式にはPublic Relationsといいましてパブリック(大衆)とリレーション(関係)を作っていくことを言います。北風に対して、空気をつくるような太陽のような手段ということですね。

 道場について、これまでたくさんのPR手段を考えてきました。そのいくつかは、門下生のみなさんもよくご存じだと思うので省きます。
 けれど、PRにしろ、広告にしろ、「何を伝えたいのか」と「それによって受け取った人はどんな価値を感じるのか」を考えなければ意味がありません。ただ、「空手を福島でやってます!」では、「そうなんだ」で終わってしまうのです。

 なので「何を伝えたいのか」、「どんな付加価値を提供できるのか」を徹底的に考えてからはじめてPRの方法を考えます。伝える内容のキーワードになるのは門馬師範の掲げる「武道教育」です。
 突き方・蹴り方を教えるのが武道教育ではなく、その空手を通して何を教え、何を育むか。そこに多くの人は、魅力や価値を感じてくれます。そのように考えていくと、どういう道場にしたいのか、道場とはどうあるべきか、ということなどについて考えることを避けて通れないのです。そして、その時に考えていたことを少しずつブログに綴っています。武道オタクというほど詳しくもありません(^^;)

 そこで最初の昔話に戻りましょう。

 例えば仮定の話ですが、企画をやっていると、被られてしまうこともままあります。何かの企画をやったとしましょう。一道場というか私個人が考えた企画なので、お金やモノも限られていますね。同じことを、もっと資金力のある人がやると、もっと豪華でもっと規模が大きいことが実現できるのです。

 これではもう、勝負にならないでしょうか?

 いいえ、そうではありません。私の武器は、ゼロから1を生み出せる力です。そこにある企画を、人の数や資金力でもっと強力にできたとしても、その人はゼロから生み出すことはできません。つまり、話の続きを書くことができない。何をやっても改良・補強を施した「豪華な二番煎じ」しかできないということなのです。


 なにかのPRや企画をまねているうちに、まったく違う角度・方法からのPRを打ち込めば済むことなのでなんとでもなるのではないか、と思っています。そんな見方ができるようになったのが、冒頭の昔話のおかげだったりします。

 道場が充実するのは、もちろんミットや防具がそろうことで充実する面もあります。でも一番大きな充実は、共に頑張る仲間が増えたときであることは間違いありません。人が集まれば空気が変わり、環境が変わる。門馬道場はNPO法人ですから、利益の再分配を目的にしていません。人が集まれば集まるほど、資金面(サンドバッグやミットなど設備)や環境がよくなっていきます。ならばPRに力を入れないなんて選択はありません。


 そのような考えて携わってきましたが、先日の演武会などにみられるよう門下生や保護者さまのご協力があって、はじめて成り立ちます。今後も何かとご協力をお願いすることがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。



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