2019年3月26日火曜日

2019年 県北大会総括

 2019年3月24日(日)、ユラックス熱海において平成最後の県北地区大会が開催されました。

 型部門、組手部門の両方で多数の入賞者を輩出することができ、最後の講評では門馬師範にも触れていただきました。入賞者のみなさん、おめでとうございます。入賞できなかったみなさんもよく頑張りました。

福島市・伊達市・二本松市の門下生たち


 入賞者の報告の詳細はおたよりに譲りたいと思います。

 今回は、反省会の会場に向かうまで大会を振り返っていました。決勝戦に出場した子もたくさんいましたし、中には同じ道場で決勝を競ううれしい場面もありました。結果、多数の入賞者が出てうれしかったのですが、それだけで終わってしまっていいものかと考えていたのです。

 大会にはレベルがあり、この地区大会は一番初級向けの大会になります。例えば全国大会であるチャンピオンシップのような大会では、目的は一つで「てっぺんを目指す」ということ。県大会であれば、福島県の頂点に、チャンピオンシップの出場権利を獲得する、などでしょうか。
 その意味で地区大会を見ると、一番間口が広い大会であることに気付きます。はじめて組手試合に臨む子、はじめて型の試合に出る子、入賞を目指すのもそうですし、型の団体で来る全国大会への実力を試すというのも一つです。この大会のために必死に覚えた型を打っている小さい初心者の門下生の姿は、ほんとに微笑ましく感じます。「地区大会」という中に、門下生の数だけドラマがあります。佐倉道場では実績から組手には出れないものの、一番先輩として初めて「選手宣誓」の大役を任された晃平くんも、前日まで必死に覚えて練習していました。

堂々とした宣誓を披露した鹿野晃平二級

 入賞した人はメダルであったり賞状をもらったでしょう。それはみんなががんばった証です。おめでとう!ただ、指導員はそれだけで終わってはいけないのでは、という思いが強くあります。極端な話、空手を全然知らない人でも、賞状やメダルをもっていれば「頑張ったんだね!おめでとう!」と、ある意味無責任にほめることができます。お父さん、お母さんも、わかりやすく数字やものであらわれる実績のため、褒めることも容易にできるはずです。
 では、自分にしか、指導員にしかできないことってなんだろうなと考えたとき。入賞した子はもちろんですが、数字に表れない成長を見せてくれた子の頑張りを認めてあげることではないかなと思います。

 開始線に立つ、というたったそれだけのこと。だけど線の向こうの相手は、見ず知らずなのにはじめの合図で全力で突いて、蹴ってくるのです。その恐怖感と対峙できるのは、コートに立った本人だけ。型の試合でも、団体というプレッシャーや多数の視線など、その緊張は普段の小学校生活ではまず味合わないものでしょう。そこに果敢に挑戦して、自分の足で帰ってきた。それだけでとても大きな成長なのですが、残念ながら必ず数字や結果に現れるとは限りません。
 その場の恐怖も、そこに立つまでの稽古の過程をみていて、最後まで見守れるのはある意味で指導員の特権と言えるかもしれません。そのような成長をしっかり見届ける場として、地区大会は門下生の親子で成長を感じられる貴重な場なんだなと改めて感じました。

決勝戦を待つ門下生たち

 今大会ではそのような一人一人のドラマに伴った成長と、多くの数字にあらわれ、師範にも言葉で触れていただけるような結果をおさめることができました。
 これは一重に、日ごろ道場で仕事などの都合にも関わらず協力してくれている齋藤真尚さん、鈴木順子さん、齋藤香代先生のご協力のおかげです。当日はスタッフとしても協力いただきました。
 またスタッフとして協力してくれた門下生のみんな。みなさんのおかげで後輩たちが頑張れる大会が運営できています。当日は、自分の子どもはスタッフの役割だけにも関わらず送迎してくれているお母さんもいました。
 頑張る門下生は、自分の所属道場の他にも出稽古にいくことも珍しくありません。そんな頑張りができるのも、同じ道場の諸先生方が快く受け入れ、稽古をつけてくれるからです。
 また大会では、運営に必要なたくさんの作業があります。みんなが受け取った賞状やメダルの準備、大会会場の確保などなど。多くの仕事を引き受けてくださっている職員の先生、先輩たちもいます。
 そして、今回静岡での全国大会を見据え、小学6年生でもメガステージでの師範稽古に参加できる環境をつくってくださった師範。
 みなさんのおかげで、こどもたちがたくさんがんばることができました。ありがとうございます。そして、その子どもたちを送迎などでバックアップしてくださった保護者のみなさま。ありがとうございました。この大会を機に、これからどんどん挑戦を続けてほしいと思います。

 これからも微力ながら、みんなの成長を見守れればと思います。

緑帯以上の部 型決勝戦 征遠鎮

 地区大会は、関門の一つです。負けたらそこで終わるのか?そうではありません。もっとみんなが目指すもの、保護者のみなさんが望むものの理想はもっと高いはずです。空手道は字の如く、人生に一本通ったとてもとても長い道。それを一歩一歩、踏みしめて歩いていく。自分なりの歩幅で歩いていけばいい。今回の大会もその一歩です。全力で戦って、ありのままの結果を受け入れて。そしてそれを明日につなげばいい。

その環境がとても恵まれていることに感謝させられる大会でした。押忍

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