「1を100にすることなんかより、ゼロから1を生み出すことのほうがよほど難しい」
クラスのなかとかにいませんでしたか?どんな頭してたらそんなアイデア思いつくの?っていうクリエイティブなひと。
アイデアって、社会にでると大きな武器なんだなということを実感します。自分が1の力しかもっていなくても、アイデアによって「×20」とか「×30」とか、一瞬でものすごい力に変貌することも珍しくありません。しかも使うのは自分の頭だけなのでコストはゼロです。
アイデアは窮地を切り開く武器になる。
これは自信を持って言えます。たとえお金が底尽きても、アイデアはただです。
マーケティングでは、何か新しい技術革新などが起きれば、必ずそれを模倣してくる存在を想定します。なかにはお金や資機材で、アイデアを出したはずの自分たちのシェアを奪われる、なんてことも珍しくはありません。
それでも。せいぜい模倣することしかできない存在よりも、つぎつぎに環境や状況に応じて自分でアイデアを出せる、ゼロから1を出せる方が最終的に生き残ることは言うまでもありません。模倣するだけでは、対応策が出てからマネすることしかできないわけですから。アイデアを出せるというのは、それだけ強いことなんです。
でもアイデアってクリエイターとか芸術家とか、ちょっと独特な考え方をしているような「才能ある限られたひと」にしか出せないと思われがち。実はそんなことはありません。
なのでずばりなのですが、駅前広場演武が生まれるまでを下敷きにして、「アイデアの作り方」を残しておきたいと思います。中学1年生の簡単な数学の知識があれば、それで大丈夫なくらい簡単です。
本を読んでると、「これは時代に左右されない一生ものの知識だな」って思えるような本と出会います。そして大興奮なのですが、宝くじに当選したかのように秘密にしておきます。けれど、なぜこれを公開するのか。
道場の中で一番の道場になる。その気概は絶対に大事なんですが、自分の道場がたとえ一番になったとしても、たった一地域の、局地的で限定的な盛り上がりでしかありません。
もっと上。武道教育の理念をもって、各地各道場でいろんなアイデアが出て、それによって道場全体が上向きになり、持続的に成長していける道場になること。
そのためには、自分ひとりでアイデアの作り方を独占してあーだこーだ考えているよりも、方法をみんなで共有していろんなアイデアが出た方が、絶対にいいのです。そしてそのアイデアが刺激となって、また新しいアイデアが生まれていく。考えるまでもなく、道場のためにはこっちがいい。
でも、やっぱり自分の読書で得たものをすべてを、道場以外の人にさらけだしたいわけではない気持ちもちょっぴりあります笑
アイデアのつくりかたについて、わかりやすさ重視でまとめます。記事の最後に参考文献を載せておきますので、詳しく知りたいかたはぜひどうぞ。
■アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである
アイデアって、いつも発表されたり聞かされたりしたときには既に完成されたものなので私たちはあっと驚きます。具体的な形とインパクトだけが残り、そもそもアイデアとは何なのか、ってことを見逃しがちです。
どんなアイデアも、すでにあるものの新しい組み合わせなのです。下の表に、今と昔で流行したものを適当にピックアップしてみました。
こうしてみると、いま人気のものも、すでにあるものの組み合わせだっていうことがわかりますね。
海賊やSNSがわかりやすいですね。同じものでも組み合わせでまったく違ったコンテンツになります。先日、本部行きがけにやってたテレビで、はじめジョニーデップのなよなよした海賊像にディズニー側は難色を示していたそうです。でも、デップは頑と譲らなかったと。アイラインを引いた海賊なんていままでにいなかったんですね。
■アイデアをつくる計算式
先ほどの表にyとかfとか見覚えのあるアルファベットが振られているのに気付いたでしょうか?そう、これがアイデアをつくる計算式です。といっても身構える必要はありません。中学1年で習う関数のあれです。
yが結果として出てくるアイデア、fはやりたいこと、xは変数(なんでもいい)です。具体的にみてみましょう。
■1 fを決める
まずはアイデアの枠、制約、フレームとなるfを決めます。これを決めないと漠然としすぎて何を考えればいいのか、見当もつかなくなってしまうからです。制約のないアイデアは、一般的には芸術と呼ばれます。
私が佐倉道場を引き継いだとき、演武というものはまったくといっていいほどありませんでした。けれど、演武って空手やってる自身ですら、どこかでやってたら「割れるかな?」「折れるかな?」とみてみたいものです。他いろんなこともあいまって、演武を何とかできないか?と思いました。これでfが決まりました。
y=演武(x)
それから、アイデアが満たしたい条件を簡単に決めます。例えば、武道らしからぬことはしない、大きな費用がかかることはしない、入門者につながるとベストとか、そういう感じですね。
■2 xにいろんなものを入れてみる
あとは、Xにいろんなものを入れてみます。ここからは連想ゲームみたいなものです。アイドル、女優とか思いつくままにポンポンいれていきます。
演武(アイドル)=y(地元アイドルのイベントに演武で参加できないか)
演武(SNS) =フリー素材として演武の写真をSNSにたくさんあげてもらう
演武(老人) =道場周辺の住民の方を招待しての演武
演武(もも) =ミスピーチと農家を巻き込んでのイベント立ち上げてやってみる
………
……
…
といった具合です。ピンとくるものがあれば終了。
演武(ランダムな人の流れ)→ 演武(フラッシュモブ)→ 駅前広場もしくは町なか広場で演武やる
となって、依頼を待つのではなく、人の往来が絶えないところで演武を主催する、という企画の骨組みができました。
当時のメモ。また企画を考えるときに改良とかできそうなのでとってあります。 文具マニアは一部に知られちゃっていますが、こういう書くときに書き味が違うからです。 |
■3 ルール
○ダメなアイデアから出して、ぜったいに消さない
最初のうちは、言葉は悪いですが、クソとしか思えないようなものがでてきます。アイデアの中でも平凡すぎて誰でもすぐに思いつきそうなの、特徴がないもの…。
でも大事なのはこれなんです。
リンゴが落ちるのをみて引力思いついたり、お風呂に入って重さ測れるとか思いついてしまうような、いきなりすごいアイデアが出せるのは、天才の中でもほんの一握りだけです。それをいきなり試みるのは無謀そのもの。
クソだと思うということは、すでに改善すべき点がわかっているということです。それはたくさんの数の中からアイデアを選び抜くときの大事な基準になります。ダメなアイデアをもとに次のアイデアを考えることができるっていう、かなりの強みなのです。なので、ダメなアイデアからどんどんだしていきましょう。
○数を出すこと
空手の大会も同じですが、4人のトーナメントの優勝者よりも、100名以上のトーナメントで優勝した人の方が強い。アイデアもおんなじです。
10個から選び抜かれたアイデアより、1000個から選び抜かれたアイデアの方が質がいい。数を出すことって大事です。
■ xには何をいれていけばいいか
じつはこれが一番難しいのですが、xの部分はなんだっていいんですね。言ってしまえば森羅万象、生きてきて知っているものすべて突っ込んでも構いません。
なので、日ごろ遊んでおくことがとても大事です。とにかく気が向いたこと、興味があることはやってみる。意味もなくぶらついてみる。普段読まないものを読んでみる。そんな中で心にひっかかったものは、メモして自分だけのストックを作っておきます。
いま、家族とのコミュニケーションをわりと犠牲にしつつはまっているゲームがあります。マインクラフトとモンハンを足して2で割ったようなゲームなのですが、自分でもやばいと思うくらい中毒性が高い。
でも、やばい、楽しいで終わったら意味がありません。なにが人を惹きつけるのか。
なんで自分がはまったのか、を考えてみると、こういうアイデアを出すときの大きなヒント、つまりxの選択肢が増えていくことになります。
ネットのニュースでも他の人の投稿でも何でもいいんです。気になったということは、何かがあなたを惹きつけたということ。そしてそれはほかの人を惹きつけるためのヒントになる。
ちょっと注意してふつうに生活するだけで、どんどんストックは増えていきます。
さいごに
ほんとにざっくりですが、アイデアの作り方をまとめてみました。最後に一番大事なのこと。アイデアっていうのは自分の頭にあるうちは、何の価値もありません。
実行してみるのもいいし、人にはなしてみるのもいい。とにかく頭の中から出して、初めて価値を持ちます。それはたとえ、伝えた段階で反対や批判にあったとしても、それは次のアイデアを生み出すための大切な素材です。大事にしてください。
何か思いついた方!ぜひいっしょになにかやりましょう!
少しでも多くのアイデアが生まれ、もっと楽しく広まる道場になることを願ってやみません。
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<参考文献>
全部新品で購入しても5000円でおつりがくるくらいです。
○アイデアの魅力と威力はこの1冊で知ることができます。まったくお金がないなか立ち上げられた、ハリーポッターワールド建造の目標。それを実現するために生まれたバイオハザード、モンハン、ワンピースショー、そしてジェットコースターのアイデア。その悪戦苦闘の様子がまったく飽きない文章で書かれています。マーケティングに興味ある人のイントロにもなります。一読の価値は絶対にありますのでおすすめします。
『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか』(森岡毅/角川文庫)
○「60分で読めるけど、あなたを一生離さない本」
「<アイデアをどうやって手に入れるか>という質問への回答がここにある」
のコピーだけでも伝わりそうなくらいの、知的発想法ロングセラーの1冊。
『アイデアの作り方』ジェームス・W・ヤング/訳 今井茂雄/阪急コミュニケーションズ
○硬い文章が苦手だという方は、アイデアの作り方よりもこちらでOK!ヒット連続のおもちゃクリエイターが明かす、実践版アイデアの作り方。
『アイデアが枯れない頭のつくり方』(高橋晋平/阪急コミュニケーションズ)
国際空手道連盟 極真会館
(社)世界総極真
NPO法人 極真カラテ 門馬道場
師 範 門馬智幸
指導員 山名愼一郎
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