2020年2月10日月曜日

黒帯と昇段審査

 令和2年2月9日(日)。郡山カルチャーパークにて、冬季昇級審査会が開催されました。受審された皆さんはお疲れさまでした。審査結果が最終的に決まるまで、一か月弱の時間をいただきます。楽しみに待っていてくださいね。


 今回の審査会では、昇級とは別に、三人の先生が「昇段」に挑戦しました。
佐藤明浩先生(郡山大槻道場責任者)が弐段、白石恵介先生(表郷・天神町責任者)、齋藤香代先生(北沢又・伊達・二本松責任者)が初段へ。


 昇段、すなわち黒帯への挑戦。
 極真が誇る、肉体と精神の限界を試す審査。みなさんの目にはどう映ったでしょうか?




「空手ははじめは習い事かもしれないが、黒帯はそうじゃない。習い事ではなく、生き方そのものなんだ」

 門馬師範は反省会で仰いました。習い事ではなく生き方。そういわれて思い出したことがあります。

 まだ親の保護を受けて、学生という身分で何の責任もなかったころ。学校に道着を持っていき、授業が終わればそのまま武道館での稽古へ。そして、その稽古が終わったら自転車で30分かけて小学校体育館で行われる稽古へ。そんな日が週に何日もありました。

 普通、高校生といえばおしゃれして、学校が終われば繁華街へ繰り出してファストフード店やカラオケでだらだら過ごし、ときには恋人とデートなんかしたりして。でもそんな「普通」の学生生活はほとんどありませんでした。


 まだ色帯を締めて、もっと未熟だったあのころ。極真空手が、強くなることが全てだった。


 今回、昇段に挑戦した先生たちも、まさにその通りなのです。みんな仕事があり、家庭があり。その中で時間をやりくりして、すべてを空手に充てている姿を間近に見てきました。

 忙しい、試験が、仕事が、生活が。
 でもそれはみんな同じこと。
 その中で何とかしてでも時間を作り、空手に向き合ってきたからこその、昇段への挑戦なのです。


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 ともすれば集団リンチにもとられかねない、昇段審査。その壮絶な見た目の裏には、どんな思いがあったのか?


 それは、いくらここで書いたところで伝わるはずもありません。ただ言えるのは…。
 昇段審査なんて、不合格で終わらせようと思えば簡単なことなんです。肉体も精神も限界に近くなったころ、相手の有段者が頭でも蹴っ飛ばせばそこで審査中止です。でもそれを、相手である私たちがしなかった。



 なぜなら受けた三人の先生に、「黒帯になってほしい、昇段してほしい」と願っていたから。



 いま、黒帯を締めている誰もが、自分の体と心の限界を振りほどきながら、死に物狂いで通ってきた試練。その辛さは、相手である私たちも嫌というほど知っています。
 でもそのつらさを乗り越えたからこそ。何ものにも染まらない「黒」でいられる。だから伝えるんです。限界が見えていてフラフラになっていても、拳や蹴りに載せて。


 『みんなが通り、苦しみながら乗り越えてきた壁。死にもの狂いで乗り越えて、こっちに来い!絶対にできるから!』 


と。


 何も憎くて突いたり蹴ったりしているわけではありません。



 審査のあとに巻かれることを待っている帯に価値を与えるのは、挑戦する受審者と、その試練を与える連続組手対戦者の双方。だからこそ、師範も審査の組手では、受審者にも相手にも檄を飛ばすのです。


 非科学的な話になってしまいますが、敵意しかない突きや蹴りと、想いのこもったそれは全く異なります。

たくさんのダメージを負い、とうに限界を超えていて。それでも立っていられるのは、突きや蹴りのひとつひとつに思いが込められているから。込められた想いを受け止めているから。みんなの声援に後押しされて支えてくれるから。そして、それに応えようとしている自分がいるから。



 ふつう、ものを動かすときには、動かそうとするものに触れなけばできません。では、触れることのできない心を動かすには、どうすればいいでしょうか?


 心には触れられない。でも突きや蹴りを通して、思いを伝え、受け取り、応える。心に心で寄り添って触れたとき、はじめてひとの心を動かすことができる。


 もし、観ていたなかで「感動した」という人がいるならば、それは審査に挑戦している人たちの組手の会話を感じ取ることができたからだと思います


 
 今回は昇段審査が予定されていたので、繰り返し稽古のなかでも、
 「受審する予定でなくとも、黒帯を目指したい人は今回の審査会に見学に来てほしい」
と伝えていました。きのう、審査会場にいたみなさんは本当に貴重な機会で幸運だったと思います。



 先生たちの昇段審査をみて突き動かされた心のなかに、黒帯になるために必要なことがたくさん含まれています。その気持ちを忘れずに、またこれから頑張っていきましょう。



 そして受審してみごと新しい黒帯を取得された先生方、「大変おつかれさまでした」と「おめでとうございます」をブログ上の末筆ではございますが申し上げます。そして何より、挑戦する姿とあきらめない心を門下生たちに示してくれて、大きな成長の機会となりました。ありがとうございました!! 押忍!!


(追記:2/17)
 今回の昇段審査の様子が、Youtubeで公開になりました。記事を読んで映像を見ると、また違ったように見えると思います。ぜひ、道場のYoutubeチャンネルにもご登録ください!(リンクをクリックするとYoutubeに飛びます)

https://youtu.be/NSTAWScF8B0









国際空手道連盟極真会館
世界総極真
NPO法人 極真カラテ門馬道場

師範  門馬 智幸
指導員 山名慎一郎

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