2020年5月31日日曜日

空手と鬼滅の刃


早いもので2020年も半分の折り返しに差し掛かっています。振り返ってみるとコロナに振り回されている半年でした。


山名家においては、私が家庭財務省に対し、ノー決裁のまま20冊くらいのコミックス大人買いを決め込んで帰宅。菜穂子先生の逆鱗に触れるという事件が勃発しました。



皆さんのお子さんもアニメか漫画か、読んだり観たりしているのではないでしょうか?(*^ー^)




男の子が強さに憧れるのは割とあるにしても、女の子の門下生に動機を聞いてみると、アニメの影響も大きいことがわかります。

プリキュアや、特にコナンの蘭ちゃんをみて空手に興味を持ったという子もいます。

消費者理解といいますが、子供たちに道場をPRしたければ、その層が何に興味をもっているのか、を知らなければなりません。



漫画「鬼滅の刃」は、週刊少年ジャンプに連載されていた作品で、2019.4のアニメ放送を機に、人気に火がついたと言われています。

売り上げの瞬間風速では、あの「ONE PIECE」をも凌いだことでニュースになりました。

経済学では、市場から外れる(この場合ずば抜けた意味で外れている)とき、そこには必ず理由があるとされています。

人気の裏には小学生や大人たちに「刺さる何か」があったはずなのです。何が刺さったのかを理解できれば、それを空手バージョンとしてPRに生かすことだってできるでしょう。



例えばグッズの売り切れ具合や人気具合などを見ると、必ずしも子供だけでなく、ある程度お金を自由に使える大人層にも人気があることが窺えます。


昨今の御朱印や、刀剣女子、歴女といったブームの流れと関連性はないのでしょうか?


刀剣は御神体となるし、御朱印は神社仏閣のもので、歴史上の人物が祀られていることも珍しくありません。

鬼滅の刃における、鬼を退治する集団「鬼殺隊」の最高峰、「柱」。これはもとはといえば、神道における神様の数え方です。それくらい神道の影響を受けた描写がみられます。


私たちミレニアム世代からすると、宗教といえばオウム真理教事件などのイメージでネガティブ色が強い印象ですが、最近は、ライトな宗教色はスピリチュアルと言い換えられ、ブームになっている面も見受けられます。

これらはなぜブームとなったのでしょう?


情報のグローバル化(SNSやまとめサイト)によって、外国文化がたくさん流入することにより、日本と外国の文化を比較できる機会が多くなった。だから自国の文化が際立ってきているのでは?


子供への人気は、わかりやすい勧善懲悪。桃太郎や一寸法師などお伽草子から、「鬼退治」そのものに親しみがあるという背景があったのでは?


と考えていくことで、この漫画の何が世間に刺さったのかを考えていきます。


とはいえ、この漫画を買ったからといってすぐに何か良い方法が浮かぶのか?と言われるとそんなこともありません。


ただ、常に自分の引き出し、ストックは蓄えておくに越したことはありません。それはいつかどこかで気が熟したときに思いもがけないものと結びつき、アイデアとなって飛び出してくるのです。


いまやいろんな格闘技や団体が乱立し、「極真」という名前だけで入門者があとをたたないという時代は過ぎ去りました。むしろ、極真という看板の名のもとに門下生のパイを奪い合う状況です。


時代や社会情勢が武道に何を求めているのか。それをしっかり捉えて実践していかないと、待っているのは衰退しかありません。そんな中、門馬道場には「武道教育」という揺るぎない理念があります。


ただし、理解や共感は、認知の先にあるものです。まずは知ってもらわなければ、その先はありません。


「武道教育」を武道教育とだけ伝えてもそれまで。

今の時代が求めているものに対し、武道教育がどういう価値をもたらして、生きる力になっていくのか。

武道教育が、なぜいま、必要なのか。

それを空手を通してどう実現していくのか。

しっかりと捉えて伝えていかなければなりません。



「100日後に死ぬワニ」などでもあらわになりましたが、ブームは広告会社やマスコミなどによって「作られる」ものがほとんどです。

そして、作られる際には時流に乗るように設計されます。今の時代が求めているもの、に興味を強く惹くプロモーションを掛け合わせる。そうするとブームは起こすことに成功しやすい。


ならばブームを注意深くみれば、その裏には、社会が何を求めいるのかがおぼろげながら見えてくる。はずなのです。


漫画を読んで残しておいたメモがあります。




ストーリーがどうとか、漫画の技術がどうだとかは、私の場合、はっきり言ってどうでもいいのです。それは漫画家を目指す人が分析すればいいこと。


なぜ、世間の共感を呼び、ブームを巻き起こし、人気になったのか。その仕組みから学べる手法と、価値観は何かの時に、必ず役に立つ。


今の私たちの世代はバブルを知らず、不景気な世の中しか生きたことがありません。
仲間を簡単に鬼に殺されるという理不尽な世界の中でも、戦いをやめない。

失いながらも前に進み続ける生き方は、いまの少子高齢化や不景気な閉塞感漂う社会を生きていかないといけない私たちに眩しく映ったのかもしれませんね。


では、そんな生き方が求められるとして、私たちの空手は何を手助けすることができるでしょうか?


いま、前代未聞の事態です。だからこそ、いろいろ考えなきゃなんない。そのときにものをいうのは自分の引き出し、経験です。


若い頃の苦労は買ってでもしろ。それは概ね正しい。でも本当は苦労だけでなく、面白そうなもの、楽しいもの、興味が少しでもあるもの、も買ってでもしたほうがいい。それは自分の引き出しになっていくのだから。

だから空手をしてるっていういまのそれも、とても貴重な引き出しの一つになっていることは言うまでもありません。


漫画であれ雑誌であれゲームであれ。勉強にならないものはないって思うんですよね。

「面白かった」

その一言だけで、完結してしまわない限り。

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