2020年6月12日金曜日

「空手」という選択に間違いはないということ


 学校や部活も徐々に再開になってきました。新年度の出だしは大きな災害があり、それは今なお続いていますが、今年は教育という意味でも重要な年。それは、小学3年生から始まる「外国語活動」と、5・6年生の「英語」導入による英語必修化です。



 大体において文部省が掲げる理念というのは崇高で、反論の余地がありません。ただ、あまりの崇高の高さに眩すぎて、足元がみえなくなってしまうことも多々。
 私はゆとり教育の第一弾でしたが、今ではすっかりなかったことになっています。


 さて、今回の小学校での英語必修化ですが、文部科学省のホームページを見れば、何を狙いとしているかはすぐにわかります。(読むのが面倒な人は青文字飛ばしてください)


 『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」(平成15年3月:文部科学省)のなかで指摘されているように、経済、社会の様々な面でグローバル化が急速に進展し、人、物、情報、資本などの国境を越えた移動が活発となり、国際的な相互依存関係が深まるとともに、国際的な経済競争が激化し、果敢な挑戦が求められている。また、地球環境問題など人類が直面する地球的規模の課題の解決に向けて、人類の英知を結集することが求められている。こうした状況の下では、絶えず国際社会を生きるという広い視野とともに、国際的な理解と協調が不可欠になっている。


 つまり、グローバルに活躍できる人材を育てるために、もっと英語力をつけなきゃだめだ!という主旨のもとはじまったわけです。

 私は茶番だと思います。

 なぜ英語力を磨くことが、グローバルに活躍できる人材につながるのだろう。そういう人材がたくさんいれば、国は豊かになるんだろうか。



 もしそうだというならば、世界でダントツに英語が上手な、アメリカやイギリスは栄華を極めてなけりゃおかしい。

 アメリカは貧富の差が拡大するし、人種差別がいまなお大きな問題となっています。イギリスもグローバルな人材がうようよしている割には、今回の新型インフルエンザもかなりの水準まで広がりロックダウンしました。英語が使えるというだけで視野が広がり、あらゆるシーンで活躍できるグローバルな人材になる、なんていうのは幻想に過ぎません。


 もちろん、必要でないとも言い切りません。文学の機微を捉えて表現する翻訳や即時性が求められる通訳はまた別です。ただ、「伝える手段としての英語」だけならば、現在、目覚ましい進化を続けている人工知能にでも翻訳させれば事足りる時代が必ずきます。
 そんな時代に求められるのは「どう伝えるのか」よりも「何を伝えられるか」。それは、「自国の文化」によってもたらされます。


 いくら英語を話せたとしても、自国の文化を全く知らない人は、グローバルな社会ではスピーカーの役割しかなさない。そこで、独創的なアイデアや、情緒豊かなプロダクト、斬新な付加価値などを生むことなどできやしないわけです。


 良くも悪くも英語は、多くの人に伝わる手段である「言語」のひとつに過ぎません。大事なのは、それで「何を伝えるか」。


ジェームズ・ディーンというアメリカの俳優さんが残した言葉を紹介します。

Dream as if you'll live forever
And live as if you'll die today


永遠に生きていくことを夢みる
そして今日も死ぬつもりで全力で生きていく


永遠の命を持ってるつもりで夢を抱き
今日限りの命のつもりで精一杯生きろ




 直訳と意訳ですが、だいぶ印象が違いますよね。結局のところ、どんな言語であっても、それが事実か感情か何か。伝えるものがあることが前提です。何も伝えるものをもたない人が語学が堪能になったところで、Googleの翻訳だけでも事足りてしまうのです。

 なによりも英語が公用語であったとしても、どのように受け取られるかは、受け手の教養によって幅がきまります。


 むしろ、自国の文化、言葉の表現や文学に詳しい、もっというならば教養があるほうが、より繊細に外国の言葉を捉えられるということでもあります。


 その意味で、いま「空手を修行している」ということは本当に尊い。武道とは名ばかりで、その精神も歴史も文化も無いような道場が乱立している中。「武道」を実践している門馬師範のもとで、空手を学ぶことができる。それは、日本が長い歴史の中で育んできた、失われつつある文化に触れることに他なりません。


 もちろんそういう空手の道場はほかにもあるだろうし、何も空手に限ったことではありません。墨絵、華道、茶道、舞踊、柔道、剣道などいろんな文化があります。もちろん空手に携わっているので私は空手を推しますが(笑)。

 英語を学ぶことも大事だと思いますが、それが小学生からはじめることが正しいとは到底思えないわけです。それよりも、本に自ら手を伸ばしたり、自国の文化を体験する機会を増やした方が、よっぽどグローバルな人材の育成につながるように思います。
 TOEICの国民平均得点を底上げしたい、とかの目的ならば正しいとも思いますが、グローバルな人材育成とはベクトルが大きく違う。


 英語の学習は、国語と自国文化に十分に触れてからでも遅くない。むしろ、英語をしっかり活用するためにも、それは必要なのだとおもいます。



 とある国の紳士階級では、まずはじめに教養を確かめるという習慣があるそうです。いつだったか読んだ本では、初対面の相手に
 「夏目漱石の『こころ』の先生の死と三島由紀夫の自殺には関係があるのか?」と聞かれたという話を読みました。


 じゃあ自分が聞かれたら?

 はっきり言ってそんなこと言われた暁には「そんなことを俺に聞くな。夏目漱石か三島由紀夫にでも聞いてこい」と言いたいところです。が、自信をもってこう言えます。


 文学のことや他人の死にざまについて話せることはなにもない。が、日本の武士道についてなら何でも答えるよ


 それがgoogle翻訳みたいなつたない英語であったとしても、「日本について」伝えることができるのは「日本の文化」に触れたことがある人だけ。国際社会で求められるのは、その国独自の価値を生み出せる人なのです。

英語さえ使えればOK、な人材などを求める時代はすでに過ぎ去って久しいことを忘れてはいけません。


 いまは「痛い」、「苦しい」、「行きたくない」。そんな思いの人もいるかもしれないし、「いつまで続くんだろう」と途方に暮れている人もいるかもしれない。
 
 でも、大丈夫。
 今やっている「空手を修行したことがある」という経験のすごさは、自分の視野と世界が広がったとき、必ず気付くことができるから。

 私はそう確信しています。








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