2020年9月25日金曜日

20200920_型セミナー(応用編)

 令和2年9月20日(日)~22日(火)まで、ルネサンス棚倉の体育館にて、型セミナー(応用編)が開催されました。


今回は時世に鑑み、合宿という形式をとらずに日別での開催となりました。福島市からは遠いため、多数の門下生が宿泊したようですが、みんな充実したセミナーとなりました。


さて、今回は合宿という形はとらないものの、非常に重要なセミナーであることは繰り返し稽古の中でも伝えてきたところです。実際参加してみて、ほんとうに貴重な機会となりました。



「組手偏重主義」、「ケンカ空手」と言われたような時代もありましたが、昨今では武道として型の重要性が改めて認識され、型の大会も当たり前に行われるようになりました。


例えば、キックボクシングとボクシングを経験した人が入門してきて、それなりに強ければ。緑帯や茶帯を締めてもいいものでしょうか?


そこはなんとなく釈然としない気持ちがあるでしょう。確かにパンチも蹴りもできる。それで道着を着たら空手家なのか?

そうではなく礼法に始まる所作や精神面での熟練度、そして型が打てるかどうか。格闘技と武道の境界線は、礼法と型にあるように私は思います。つまり空手のアイデンティティが型であるということです。



組手の試合では、投げ技もダメですし、逆技(関節技)もだめ。顔面への突きも認められていません。では、街中でどうしようもなく暴力沙汰に巻き込まれたとき。顔は打つな、つかむななんて言っても道理が通りません。


試合は大切な修行過程の一つですが、本当に欲しいのは、ルールの中だけで通用する強さなんかじゃない。そして型の中には、これら試合では認めらていない、武道としての空手の技術のすべてが込められています。



今回のセミナーでは習熟度別に3つのクラスに分けて行われました。初級は、太極、平安の裏を中心に。そして一般部中級以上は、頑張った人は5つの型を覚えました。



鉄騎その1~その3、抜塞、観空小。

3日目の型大会で目にした保護者さんも多いのではないでしょうか。


これらの型は、通常の稽古の中では行いません。その理由はシンプルで、極真空手に残されている型ではないから。ではなぜこのような型をセミナーで師範は指導してくださったのでしょうか。


セミナー中、黒帯の先生たちは各グループの指導に入っていたため、参加者と同じところでこれらの型を稽古していません。みんなの稽古が終わったあとで、黒帯だけ集められて指導していただきました。そのときの言葉にヒントがあったのです。


型について語りだすと、それこそ膨大な文量になってしまいますので、要点だけみてみましょう。下の表は、系統・流派別の型一覧です。


空手、、、沖縄発祥の唐手は大きく、那覇手・首里手・泊手の3つの系統に分かれます。そして四大流派と呼ばれているいわゆる伝統派空手が、剛柔流、糸東流、松濤館流、和道流です。


【fig1】系統・流派別型比較一覧


黄色で塗りつぶしている型は、極真空手と共通の型です。

観空大=観空=公相君=クーシャンク― など読み方、漢字表記などが異なっていますが、実質同じ型と扱っています。


極真空手は大山総裁が、松濤館そして主に剛柔流を修行されていたため、那覇手及び首里手の系統に当たります。


極真空手では、五十四歩(スーシホ)が最高峰に位置付けられていますが、那覇手・首里手においても上位の位置にあることがわかります。(表では省略していますが、伝統派では、この後にもさまざまな型が続いています)



安三や、撃砕小、臥竜は極真空手だけの型ですのでそれを踏まえてみれば、いくつかの型を飛ばし飛ばし取り入れている体系が見えてきます。

型は順序を踏まえて習得できる形になっています。例えば、色帯でまず稽古する平安の型は、糸洲安恒という空手の大家が、クーシャンク―から動作を借りて五段に分けて創作したものと言われています。(諸説あり)

平安を稽古していくと、自然と観空の型につながっているんですね。


型にもそのような体系があるのか、いくつかの型を飛ばしてしまうと理解し難い挙動がでてきます。

なので五十四歩や観空の習得、そして挙動の理解を深めるために、補完的な位置づけで今回の型を指導してくださったことが分かります。



そしてこれらの型は、門馬師範自身がさまざまな先生方から学んでいたことで、私たちが稽古できる機会に恵まれたのです。その意味でも、極真空手が、というよりも空手そのものの世界を広げることができたセミナーとなりました。



今回の、鉄騎1~3、抜塞、観空小の型は、稽古では指導することはありません。なぜかといいますと、指導できるほど私が稽古していないから。そして稽古していないものを教えることほど、弊害をもたらすものはありません。

なのでこの型を練習できたのは、セミナーに参加した門下生だけの特権です。そして忘れないためにも、自分で時間を見つけては繰り返し、しっかり習得できるように稽古しましょう!

今回のこのセミナーを、本当の意味で有意義なものにできるかどうかは、参加したみんなのこれから次第だということを忘れずに!


 そしてセミナーを通して稽古を頑張り、最後の日の「型・試割り大会」に挑戦したみんな、よく頑張りました!結果は以下の通りです。



(少年青帯4~6年生の部)  準優勝 高橋逞人(佐倉)

(少年黄帯4~6年生の部)  準優勝 古内菜々心(佐倉)

(少年緑帯の部)       4位  水野脩也(佐倉)

(中・高校生黄帯の部)    優勝  舘内志弥(佐倉)

               準優勝 大橋俊哉(霞町)

(中・高校生緑帯の部)    優勝  後藤朔良(佐倉)

               4位  尾形陸翔(佐倉)


おめでとうございました!!



最後に末筆ではございますが、このような情勢の中、なんとか門下生に目標を持たせようと開催に尽力してくださった門馬師範、職員のみなさん。遠いところ送迎にご協力いただいた保護者のみなさま。指導してくださった黒帯指導員の先生方。そして参加してくれた門下生みんな。


みなさんのおかげで貴重なセミナーを開催することができました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。


どのような形になるかはわかりませんが、また冬にお会いしましょう!



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