情報は、誰もが理解できるようになった瞬間、その価値を失う。
それを声高に叫びながら、読むたびに律儀に放り投げている本があります。
クラウゼヴィッツ『戦争論』。
この前なんか、「お!下巻がある!読むときなかったら困るから買っとくか!」と購入して帰宅したら、
「戦争論 上・中・下・下」という独特過ぎるラインナップが完成しました。あまりに読めなくて何度も放り投げ続け、どこまで買っているかも忘れてしまっていたようです。
この世のものは、エロを追求して発展したものか、軍事目的で発展したものかに分けられるそうです。
戦略は、戦争のために生み出されたものですが、ビジネスの競争において多用されるようになり、今では、生き方そのものや教育にも大きな影響を持つようになっています。そのため、古典の戦争論を読もうとするのですが、難解過ぎて全く進まない。もはやこれは、睡眠薬として利用するか、立ったままでないと読み通せない本だと思います。
それはさておき、戦略の中でぜひ知っておきたいものの一つに「ランチェスター戦略」があります。マーケティングなどの研修で叩きこまれた方も多いのでは?
ここでは私がオフィスソフトを駆使して作ったスライドの紙芝居形式で紹介したいと思います。一言でいうと、弱い力で強い力に勝つにはどうしたらいいの?というものです。
分かりやすさのための前提として、個人の力量・技量は全く同じ。武器は引っこ抜いた木でお互いしばき合う。だから数が多い方が勝つよ、という状況です。
こんな感じです。X軍は酩酊状態だから使い物にならないとか、Y軍の方が覇気があるから勝ちというものでもありません。Xはどうすれば勝てるでしょうか?(酒を止めれば正気に戻って無双できるというのもなし)
「気合で世の中の大半の物事は解決する」と疑わずに正面からブン殴った場合は
そこで分散させて叩こうと考えます。戦隊もので言えば、合体してでかいロボットになったり、無慈悲に木っ端微塵に粉砕するような壮大なランチャー砲的なものを撃てなくするわけですが、ここでは全く関係ありません。
例えば5つに分断できたとしましょう。すべてに同等に応戦するとなると、
自分も分散されてしまうので、やっぱり負けます。
そこで、戦略をとる。つまり、「勝つ」という目的を達成するために資源(兵士)を配分するための選択をすると、どうでしょうか。
2つは捨てて、3つの大事なところだけを守る。
こうすることで、なんと数で不利であっても大局的に見れば3対2で勝てる見込みが出てきます。
教育に置き換えてみるとどうでしょうか?
経験することの価値を私は否定しませんが、習わせる側としてはそれが何であれ、最終的に身につけることを望んでさせるのではないでしょうか?
子どものいろんな可能性を模索するために、いろんなことをさせてみる。そしてその中で、可能性があるもの、あるいは好きになったものを見つけたら、それをとことんさせる。そうすることではじめて身につくし、結果も残せるようになる。
いろんな習い事をしている中の一つ。そんな時期があるのは、むしろ当然のことかもしれませんが、そこで結果を残したい、例えば空手で極真空手の門馬道場の黒帯までいきたいと考えるならば、リソースを空手に集中させるしかありません。甲子園を目指すなら部活でしょうし、進学校に行きたいならば学習塾でしょうか。どんな形にせよ、それなりのリソースを割かなければ、結果などは望めないのです。親がとんでもなく裕福であったり、とてつもない才能の持ち主でそれを受け継いでるとかなれば別ですが、それは特殊な例でしょう。
そして忘れがちですが、「時間」というのも貴重な資源です。これだけは、誰にもどうにもできない絶対的に平等な資源。たとえば「勉強をおろそかにせず塾にはすべて出席し、稽古も全部頑張る!」と決めていたとしても、大会とテストが被れば、どちらか一方を選択せざるを得ない。そしてそれは一方を切り捨てるという選択肢でもあるのです。
全てにおいて頑張るというと聞えはいい。けれど実質的には、さきほどの例でみれば、細かく分かれたいくつものフィールドをすべて守るようなもの。どこかで相手が、選択して集中をかけてきたら、勝てるはずもありません。
ただでさえ、子どもたちには、学校、勉強という余地のない選択があります。その上で、何をさせ、何を身につけさせたいのか。そこでは、本人の気持ちを尊重しつつも、親が選択の判断の手助けをしなければなりません。
「何かをする」と決めるということは、同時に「何をしないか」を決めることでもあるということなのです。
さて、その上で。みなさんは空手に何を望むでしょうか?それを、本人の財産として身につけさせてあげたいと思うでしょうか?
私たちは、空手に、道場に。集中してリソースを割いてもらうために、週に2回以上の稽古を薦めます。私たちの道場なら、他では決して身に着けられないことを与えてあげられる。その確信がある。
なぜならば、これほど自分たちが教えている武道、空手に向き合って考えている指導員を抱えた道場は、そうざらにはいないと自信を持って言えるからです。師範があれだけ武道と武道教育と極真空手に向き合っていろいろ考えているのですから、指導員がその影響を受けないわけがない。
ぜひ、道場を信じてのめり込んでもらいたいと思います。
そのためにも今一度、振り返ってみてください。
なぜ入門させようと決めたのか。なぜ空手を習わせようと思ったのか。
そして、何を子どもに与えてあげたかったのかを。
#極真空手 #福島市空手 #武道教育 #武道
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