2020年11月23日月曜日

演武こそこそ噂話


先日の審査会後にも門馬師範から伺った保護者さんもいらっしゃるかと思いますが、門馬道場にとって「演武」は特別なものの一つです。

福島に来て、門馬道場に入門したとき。本部矢吹所属ということで、さまざまな機会に演武に参加させていただきました。


昔から、それこそ私が空手に入門した当時から。空手といえば瓦を手刀で割ったり、バットを蹴り折ったりのイメージでしたが、それを実際に観たことはありませんでした。

当時の師範の釘と板で固定しただけのバット折り、恐ろしいくらい強かった指導員の先輩の、跳び後ろ回し蹴りでの肩車板割りを政治家のイベントで一度。そして、当時熊本での大会で松井館長がこられたときの寸勁瓦割り。城西時代の、一橋大学での演武。


それくらいしか、実際に観たことはありませんでした。
門馬道場では演武が盛ん。これは実はとても恵まれた環境なのです。


人、ましてや同門が相手ならばどうしても遠慮はしてしまうもの。例えばコントロールが効かないかかと落としの技なども板やバットが相手ならば思い切りなんでも試すことができます。
演武の経験は、日頃の稽古の見えない部分についての多くのことを気づかせてくれます。


思い切り技を試せる、人に見てもらえる、道場で団結できる、日頃の修行を見直せる。演武の経験がもたらしてくれるものは計り知れません。それがわかっているからこそ、そしていまの道場をつくりあげる大きな原動力であることも含めて門馬師範は演武を大切にされているのだと思います。


演武が依頼されると、板を5枚もらえます。これが一回の演武で使用できる板の枚数です。時間も15分〜30分程度なので相応です。
まずここから、板割りを経験したことのないはじめての挑戦の子達を二人ほどじゃんけんなどで選びます。それぞれ一枚ずつ。そして、残りの枚数を、高難度で割れる先輩たちの中から選抜で板割りを決定します。


なので、かなりの数の演武をこなさないと、板割りの経験ができないのです。


当時、演武の盛んな道場だと知って驚きましたが、いざ西道場(現 佐倉道場)を担当してみると、ほとんどの門下生が演武の経験がなかったのです。

この子たちにも演武をたくさん経験させてあげたい

ところが私なんて、福島に来たばかりの余所者です。つてがあるわけでもない。待ってても演武の依頼なんて来ないことは分かっていました。そこでこちらからイベント情報を見つけては「演武させてもらえませんか?」という働きかけに変えました。


しかしいつでもどこでもイベントがやってるわけでもなく、少ししか演武の数はこなせませんでした。

そんな苦境をきっかけで生まれたのが、自主開催の演武でした。日頃、福島駅を利用しているので人の流れが十分にあることはわかっていましたし、十分すぎるスペースが人の動線に接地しているこれを利用しない手はない。そしてまず時間の制約がないこと。そのため参加者に板代を負担してもらうことで、希望者全員が板割りに挑戦できるようになりました。

最初は試行錯誤。とにかく一度やってみよう、とはじめた演武。そこから時期を変え、内容を変え、少しずつ重ねながら取り組んできました。


そして今年。コロナ禍の最中だからこそ、チャリティとして中断せずに開催することに。それにGOサインをだしてくれただけでなく、全道場でやると強烈なリーダーシップを発揮してくれた門馬師範の決断で、県内各地でチャリティ演武を開催する流れになりました。


さて、その様子は次のブログからお伝えしたいと思います。



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