と書いておきながら受けるわけではありませんが、どんな試験か興味ありませんか?ニュースや科学番組でよく宇宙飛行士の姿は見るけれど、何を頑張って、いかような試験に受かれば宇宙飛行士になれるのか。
誰でも知っている仕事だけど、どんな試験でなれるのかは誰も知らない。標題は2008年に行われた宇宙飛行士選抜試験に密着した1冊の本のタイトルです。
宇宙飛行士の最終選抜に残ったのは、医者、自衛隊・海上保安庁などのパイロット、民間航空機の機長など、婚活イベントとかあれば肩書だけで無双できそうな剛の者ばかり。
卓越した頭脳と、己の経歴や肩書で殴り合う選抜試験なのかと思いきや。
あえて短い言葉で表現するなら… どんな苦しい局面でもあきらめず、他人を思いやり、その言葉と行動で人を動かす力があるか。その”人間力”を徹底的に調べ上げる試験だったのである。
ある意味、学力や肩書といったものは、本人の努力でどうとでもなるものかもしれません。実際、医者であれ、パイロットであれ、相応の努力をしてなったのでしょう。でも、このJAXA(宇宙航空研究開発機構)が徹底的に重視したのは、「船長になれる人物」。つまり、こういう人間力に秀でた人間を選抜するための試験だったのです。
ところで、この人間力って、道場が目指しているものに似ていると思いませんか?決してあきらめない、他人を思いやる、言葉と行動で人を動かせる人格を身に付ける。こうしてみると、極真空手の道場訓や、門馬道場で教えてる武道教育っていうのは、そのまま世間では「人間力」と呼ばれるものであることに気付きます。
勉強は頑張ればだれでも身に付けられるものだけど、この人間力っていうのはそうはいきません。ある意味で学力は、投資のお金と本人の努力で手に入れることができます。緻密なカリキュラムが組まれ、洗練された教材を使って学力を伸ばしていくわけです。
しかし人間力の場合は、具体的な方法が確立されているわけではありません。
選抜試験の中では、あえて受験者を絶望のどん底に起こすような試験がありました。そこからどうもがくのか、あきらめずに成功だけを見据えて努力できるか。そんな行動を評価する試験でした。
これはかつてのアポロ13号での事故による教訓らしいです。電気ショートトラブルで、ガチなピンチに陥った宇宙飛行士たち。ですが、無線通信オンリーで絶体絶命の危機を、自作フィルターつくったりとこかで、首の皮一枚つながってる感じで地球に帰還したとか。
絶望の状況の中でも、強烈なリーダーシップを発揮できるか。それを評価する試験だったのです。そんな試験の中では「お勉強だけ」ではまったく役に立たない。それまでの人生で培ってきた経験が、剥き出しにされる選抜試験だったのです。
選抜試験の詳しい内容に興味のある方はぜひ読んでみてください(^^)
読んでみて思ったのですが、何も人間力が求められるのってのは宇宙飛行士に限らないと思うんです。会社であれ、プライベートであれ、「VIVA、理不尽!迷惑被りたい!」と思うようなマゾヒストでない限り、気持ちよく行動できる人といた方が、より積極的に行動できるし、気持ち的にもプラスになります。
勉強っていうのは知識を詰め込むことではなく、自分の目の解像度を上げるということ。いくら勉強しても世界は変わらないし、広くもなりません。
けれど、解像度が上がるとそれまで見えていた無意味な図形や数字が意味を持ち始め、見えていた世界が変わってきます。
でもその精彩な世界で、人をまとめ上げて何かをできるか?そもそも何をするか?っていうのは別次元の問題なんですよね。
もちろん、宇宙飛行士なので勉強ができなきゃだめです。でもそれだけでもなれない。学力は勉強で獲得できるけど、人間力は?
色んな方法があるかと思いますが、武道というのがその答えの中の一つです。武道教育で育むもの。門馬道場が掲げている「あきらめない心」。
それを、人類の最前線で切り拓く、宇宙飛行士選抜試験でさえもが求めているのです。
アポロ13号の危機への対応を象徴する、当時の管制チームのリーダーの言葉を引用しましょう。
Failure is not an option. ―失敗に終わるというのは、我々に許された選択肢ではない。
こんな心の強さは、どうやって培われるのでしょうか?
みんながそれを知りたくて、いろんな方法を模索しています。だから、そこにたどり着く方法のひとつを既に知っているみなさんは、とても幸運に恵まれているんだと思います。宇宙飛行士を目指さないとしても、極真空手で、門馬道場で得られるものは、財産に他なりません。それも、褪せることのない価値をもっていて、決して誰にも奪われることのない財産。
だから、いまはわからなくても稽古を頑張ってもらいたいと思います。少しずつ、伝えていきますので。そしてもちろん、自分自身も一緒に成長できるように。
福島市内も陽性患者が増えてきて、道場は一週間早く年末年始休みとなりました。これはチャンス!!積んでた本を消化できるのはいましかありません。
この災禍が落ち着いたときのために。稽古はもちろん、いまできることを精一杯やっておこうと思います。
ちなみにこちらの本。JAXAやNASAの選抜の様子や試験官たちのインタビューも豊富に載っており、どういう視点から面接を行なっているか、何を見極めようとしているかが明瞭に描かれています。
これから就職活動をする人にも大いに参考になると思うのでおすすめです。
問われるのは小手先の美辞麗句ではなく、覚悟。そこでは、偽りではなくありのままの自分で勝負するしかない。ではそんな、ありのままの自分を磨くには、、、
長い長い「道」のどこかで、かならずみつけられるはずですから。
それはさておき!宇宙人が円盤で攻めてきたときは、引きずり出してブン殴れるくらいの意識の高さと人間力は身に付けておきたいですね!
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