今週から徐々に上級以外の受審対象者への推薦を行っています。これから審査までのがんばりを見たいと思っている門下生も多くいるので、ぜひ目標にして頑張ってもらいたいと思います。
また、これからも随時、推薦していきたいと思いますので、その前に。
さて、今回ずばりなタイトルになっていますが、昇級審査をめぐる保護者さんたちの葛藤については、門馬師範の著書で詳しく説明されているので、そちらを読んで解決していただければと思います。実際の推薦の現場にいる身の指導員としての視点から、推薦に際しての「えこひいき」について。
アメリカの社会学の研究とかみていると、「親の年収と子供の最終学歴・偏差値との相関系」とか、ブルーカラー・ホワイトカラーの子供の進学率だとか、わりと格差をえぐる研究がずばずばされていますが、日本ではなかなかそこまで踏み込んだ研究が行われるのは稀なケースです。
さて、これは色味をみていただくと何となく察しのつくかたも多いかと思います。
私の採点とかではなく、誰が何級をいつ取得したかという記録表です。これをもとに修行期間を把握して、判断基準の一つにしています。
誰がどう受審してきたかの記録なわけですが、これを見ていて気付いたことがありました。それこそが「えこひいき」の正体です。つまりえこひいきとおもわれがちなものは確かにある。
といっても個人的な好き嫌いというわけではありません。緑帯以上の昇級は上級なのでまた別として、順調なペースで昇級している子たちにはひとつの特徴がありました。見学室に来ている保護者さんが多いということです。
状況にもよりますが、月謝袋や通知などお渡しするとき、極力、保護者さんがいらっしゃるときは、直接手渡すようにしています。そういったところでのコミュニケーションをとれる機会が多くなります。
顔を合わせればいろんなお話しをします。もちろん、今回、師範の本の購入も薦めさせていただきましたし(みんなその前に買ってくれた方が多いですが)、保護者さんたちを招いた飲み会などにも、直接お誘いする機会も多くなります。
するとそういった場では師範の話を伺いながら、道場では見せない門下生の家庭での様子をうかがったり、こどもが悩んでいることを聞いたり。指導員と保護者さんでコミュニケーションが円滑になれば、こどもをフォローできる幅も格段に広がります。
「最近、稽古につれてくるのが大変で…」なんていう悩みを聞けば、あまり注意せずに様子をみたり、いつもと違った稽古を取り入れたり。
そして、審査の推薦となると、稽古時間内だけでの判断にとどまらず、道場の外での部分の頑張りまでも含めて考慮してあげられる。がんばっているところを見つけるにあたって、道場だけでなく家庭や学校でのところまでみてあげられるのです。「なんとか今回、審査受けさせたいので、週に2回お迎え頑張れませんか!?」とコース変更になった門下生もいます。で、それがよそから見れば「なんであの子が!えこひいきだ!」ということになってしまうのです。
コロナ禍のいま、無理にとはいいません。もし、より充実した環境をこどもを置いてあげたいと思ったときは、ぜひ見学室をご利用ください。
実際の大会、試合を見守っていただくことももちろん大事なのですが、それよりももっと大事であるはずの「試合に臨む過程」。その「普段の稽古」をみようとする人は限られます。親の立場からの口出しについて、実際の姿をみて、成長を見守るために黙っているのと、放置しておいて成長だけを望んで黙っているのは、まったく似て非なるものです。
また、家でも稽古を頑張ろうとする門下生がいるとき。ときどき、保護者の方が指導して練習しているということをお聞きします。
例えば十年以上の空手などの修行経験があり、いまもご自身の稽古を続けてらっしゃるという場合はよいかもしれません。しかしながらそうでない場合。例えば学生時代に5年ほど空手をやっていたとするならば、門馬道場で言えば黄色帯、中級くらいの目安です。また、技術は日進月歩。現在の技術からは大きく離れていることも少なくありません。流派によっても、型の動きすら大きく異なります。
門馬道場では、少なくとも上級者であって、師範の許しを得た人しか指導することはできません。
道場で稽古を頑張れなければ、家での保護者さんの指導は、むしろ成長の妨げにしかならないのです。けれど、道場での稽古を見ていれば、「道場でやっていたこれがうまくできなかったから繰り返しやってみよう」というアドバイスの仕方も可能になります。例え、武道や格闘技の経験がなかったとしても。
なぜ、すべての常設道場に見学室が設けられているのか。実は保護者さんの見学可というのはめずらしい手法で、私は門馬道場ではじめてこの形式をみました。(だいたいの道場は、保護者見学できません)。でもその思いを、師範から直接話を聞いたり、本を読んでくださった方々は、見学室で子供をみまもってくださっています。
なんてことを書いておきながら、我が家もそれをできていません。先日、下の娘をNCVに連れてきた菜穂子先生。息子の見学をすることなく、終始、走り回る娘を追いかけていました。
小さなお子さんがいらっしゃる家庭。送り届けて、自宅に戻らなくてはならない方。思春期の門下生から、見ないでほしいと言われたり。
見学室に入れない・入らない理由はそれぞれあると思いますが、月に1回。
2ヶ月に1回。迎えを30分早めての見学など。時間が出来た際には、ぜひ、見学室をご利用下さい。
せっかく、稽古が垣間見ることができる環境が師範の取り計らいで整えられているのです。ぜひ、こどもたちが頑張っている世界をみてみませんか?それはこどもたちにも絶対にプラスのものになるということを、ぜひご理解いただければと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿