ニュースはロシアとウクライナの件で持ち切りだ。当分、この余波は続くように思うし、何なら日本だって決して無関係ではいられない。
現状、プーチン大統領が激おこでウクライナを侵攻している真っ最中で、ウクライナの首都キエフも数時間内で陥落する可能性などというニュースも出ている。
ウクライナとロシアの歴史については門外漢なので軋轢については言及しかねるが、忘れてはならないブダペスト覚書だろう。
1994年、ソ連崩壊時に独立を勝ち取ったウクライナを含む数か国に、安全保障と引き換えにロシア、アメリカ、イギリスは核兵器の放棄を迫った。それを受け入れ、それまで世界で第三位の核兵器備蓄国であったウクライナは、核兵器を放棄(ロシアへ移転)した。物理的にはウクライナに設置されていたものの、そのコントロールは実質ロシアが握っており、扱うこうはできなかったようだ。
だけど、いまの状況。
バイデンはNATO加盟国でないことを理由に派兵しないことを声明として出し、英国も動く気配はない。ロシアは直接攻撃をすれば核を打ち込むと宣言している以上、国として動くメリットがないんだろう。
覚書で締結したはずの安全保障は形骸化したものだったことが露見した。
それほどまでに核の威力はすさまじいものなのか。今回の痛ましい悲劇は、核という力を放棄したことに起因し、安全保障を求めてNATO入りを検討したことがロシアの逆鱗に触れた(いろいろ他にもあるんだろうけれど)。
正義なき力は暴力なし、力なき正義は無能なり
大山総裁の言葉の重さがよくわかる。
政治家という職業はよくわからないけれども、国益を最優先として動くことが使命であるのなら、そこに個人の主観に過ぎない義理も人情も介さない。そういう仕事なのだから。
私個人で言えば、仁義を解さないやつってのは男であれ女であれ、子供であれ大人であれ醜いなぁとしか思わないが、それでは国を動かすことなんてできやしないのだろう。
大事なのは力を持つこと。そしてそれを正しく使うこと。それが武道が教えるべきことであるし、力とその使い方を知ることで平和を実現でき、心に余裕が生まれ、他人に優しくなれる。
だからこそ組手の技術だけ、型の術理だけ教える道場は片手落ちであって、それは武術という相手を制圧する術に過ぎず、決して武道足り得ない。そして私たちは武術道場ではなく、武道を教える道場だ。
核という力を持ち、こういう使い方をしてもどこの国も動かない現状がある。それどころか世界の秩序維持を目的としているはずの国連。その現議長がロシアなのだから、もはや笑うしかない。
SWIFT(注:Society Woridwide Interbank Financial Telecomunication 国際銀行間の送金や決済のための安全が確立されたネットワーク)からのロシア排除が検討されている。だがしかし、いくら経済制裁をしても死した人々はもう戻ることはない。
私たちが日常を過ごしている裏で、災禍によって死傷している人たちがいる。痛ましい気持ちだが、決して他人事ではないことを心しておくべきだろう。なぜなら私たちも力を放棄した一国なのだから。
品格もなく醜い力の使い方で栄えた国は、果たして幸せなのか?国益が最優先なのだとしても。豊かな力と品格ある使い方をできる「日本」という国を、ぜひとも政治家の先生方には目指してほしいと切に願う。
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