2022年8月17日水曜日

JK×XXX

「楽しかった(面白かった)」だけで終わってしまったらどうしようもないけれど、そうでないのならば、「遊び」は自分の引き出しを増やす上でとても大事なことだと思います。

 人生の中で、おそらく決して興味を持つことはないだろうと思っていたジャンルがいくつかありまして、その中の2つが落語と盆栽でした。盆栽は今回はさておき。

 本、というと雑食性で、有名なファンタジーの原書から菜穂子先生が顔をしかめるようなものまで興味があればかたっぱしからです。当然、その中には漫画も入っているわけで、最近面白くって追っている漫画があります。週刊少年ジャンプの『あかね噺』。



 真打昇進審査の場で破門されて落語を辞めた父、その父が没頭していた世界に女性高生のあかねが足を踏み入れて、落語家としての修行がはじまる、といったストーリーです。


 新しいアイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである。というのは有名なアイデアを生み出す公式ですが、この作品も「落語」という使い古された定番の大衆文化に「JK(女子高生)」という要素を掛け合わせることによって、一気に若年層に落語を浸透させました。


 面白い!と思ったのは、落語そのものの内容ではなく、「落語の世界」です。芸事には武道も含まれますので、世界観が近いのです。書き出すときりがないので、師弟関係と階級制の2つに絞ってみてみましょう。


 いわゆる落語家になるためには、師匠に弟子入りする他に道はないのだそうです。子供が実績残した途端に、未経験にもかかわらず、天からの啓示のごとく購入した黒帯を締めて館長や師範が誕生する一部の空手界隈と違って、厳格に守られているのです。

 弟子をとることができる落語家は、「真打ち」のみ。この真打ちの落語家に弟子入り志願するのですが、何度も断れて当たり前の世界とのこと。本気で落語家を目指すと認められると弟子入りが許され、修業がはじまるのだそうです。


 階級は、1前座→2二ツ目→3真打ちとなっていくようで、審査で認められると昇格できるようなのですが、入門したらまずは前座を目指すための、前座見習いから。ここではまだ正式には落語家ではないため楽屋に入ることは許されず、師匠の身の回りの世話や寄席へのお供などの雑用を重ねて、落語の世界を学んでいくとのこと。その合間で、兄弟子や師匠の稽古をみて勉強するのだそうです。


 面白いのは改変。つまり披露する話が、現代では難しかったり想像しにくかったりするので、現代風にアレンジして話すこともあるのだと。けれどアレンジするためには話の流れや骨子もしっかりつかみ、どこかが面白いポイントなのかを把握してそれを現代に置き換える、なんていう、しっかりした基礎がないとできないことなんですよね。


 落語しかり能しかり、武道においても共通の概念である「守破離」(※1)が、徹底されている世界なのでした。守という徹底した基礎の上に成り立つ型の先にしか「型破り」は存在しえません。18代目中村勘三郎さんは「型がある人が破れば型破り、型がない人間がやれば単なる形なし」と言いました。

 そんな世界を漫画という形で触れられるのは、貴重な機会だったなと思います。

 自分の気持ちを言葉にするってとても大事です。感じたこと・考えたことを言葉にしたときに、自分が本当に言いたかったこと、それを言葉にしたときの違和感、相手からの反応…、いろんなものが混じりあって、自分を見直す機会になります。

 自分軸を持ちたいのなら、自分の思いや考えをおそれずどんどん言葉にすること。これ大事です。


 そんな一環でブログをつらつら書いているのですが、話すことばが持つ力も「言霊」って言われるくらいだからやっぱり大きい。そんな中で、言葉を発することを極める人ってどんなんなんだろう、と興味をもって開いてみた漫画でしたので、この偶然の出会いはよかったなと思います。

 ということで。私は勉強も大事だし、空手の稽古も大事。そして何よりも、自分自身で遊ぶことも大事だと思っています。どれか一つだけでもだめなんですね。できることなら遊んで暮らしたいけれども!それはたぶん、実現しても「楽しい」だけの無味乾燥な人生なのでしょうね。

 楽しい人生か、豊かな人生か、どちらが正しいのかはわかりませんが、そのどちらも自分でつかみ取る他ありません。空手を通して、力強く自分の力で生き抜く術のヒントをつかんでもらえたら、それほど指導員として嬉しいことはありません。さぁ、きょうから道場も再開!みんなで頑張っていきましょう!



(※1)【守破離(しゅはり)】

日本の茶道や武道などの芸道・芸術における師弟関係のあり方の一つであり、それらの修業における過程を示したもの。

日本において芸事の文化が発展、進化してきた創造的な過程の根底となる思想で、その過程を「守」「破」「離」の3段階で表している。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。 「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。 「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階と言われる。

もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 り尽くしてるともるるとても本を忘るな」を引用したものとされている。





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