就活などで面接受けのいい趣味として「ネットサーフィン」なんて言っていた時代もありましたが、いまや小中学生でもスマホを持っている子がいて、いつでもだれでも膨大なデータにアクセスできるようになりました。便利になった反面、「情報」というものの価値が急速に陳腐化してしまったのです。
『情報は、誰もが理解できるようになったその瞬間から価値を失う』
いまや情報そのものにそんなに大きな価値はなく、むしろその情報をどう活用できるか、というところが重視されています。
文章や指示から、ものの数秒で絵を生成できるAIが話題になり、イラストレーターの大半は仕事を失いそうになっているのが現代社会。これからはAIを教育させるだけのイラストを生成でき、その手綱を握れる人だけが生き残る。イラストレーターにAIが置き換わる、というよりもAIを駆使した創作活動にシフトしていく。その流れをしっかり掴んだ人だけが生き残れるような時代になってくるでしょう。イラストレーター以外も然りですが。
そんな話はさておきですが、みなさん「こむら返り」って経験ありますでしょうか?あれって、いきなりビーンと筋肉が反乱起こすわけじゃなくって、なんかこう「今から一斉蜂起すんぞ!」みたいな予兆があるじゃないですか。小さくツッたり戻ったりを繰り返して、正常と緊張のはざまにはまったような状態です。
一気呵成にきてくれればいいのですか、時折、まるでじらすかのようにその緊張状態が続くことがあります。
それでもですね。それでも、まだふくらはぎとかならば、対処法も分かるのでなんとかなるのですが、これが太ももの内側とか外側とか、足の土踏まずだとか、トリッキーな場所でいまの北朝鮮ミサイル情勢のような不穏な状態が起こると、恐怖でしかありません。
まさにきのうの深夜、そんな恐るべき状況が引き起こってしまったのです。きのうの稽古でたくさん蹴られながら、加減して加減して蹴っていた落差の影響か、太ももの内側という意表を突いた場所にて痙攣が起きかけてしまいました。
でも時代はユビキタスですからね。慌てることはありません。いまや指先でなぞるだけで解決法なんて調べることが可能なのです。ありがとうWiFi!ありがとうデータ無制限プラン!!
情報を使いこなしているという自負があるので、WebブラウザのサファリではなくあえてYoutubeのアプリを起動。ビジュアルで見た方がわかりやすいし、正確にできます。ずっと緊張状態が続いていて、いつなんどきビーンと張ってしまう「あっち側」にいってもおかしくない状態ですが、ここで冷静さを欠くと苦痛にあえぐことになります。
「太もも 内側 つった」 出るわ出るわ。整体師関連の方達の、ストレッチ解説動画。
『【部位別】夜間に足がつる(こむら返り)のを一瞬で消す方法』 今の私を救ってくれるのはこの動画に違いない。再生を押すとポップなイントロと自己紹介がはじまりましたが、いまはそんな余裕はない。ということで15秒スキップ。画面左上にどこの部位の解説なのかチャプターが表示されているので、10分の動画をどんどんスキップしていきます。
ふくらはぎ、足の甲、・・・・ない。
太腿、内側。空手でいう内股の対処法がない!なんかいろんなふくらはぎと足の甲の伸ばし方をバリエーション豊かに解説していて、あきらかに部位別要素が足りていない!腰痛に効くとか、予防になる伸ばし方とかはいいから、荒ぶってる内腿の鎮め方を教えて!!!
これはだめだ!もう一刻の猶予もない。そこで次に見つけたのがこちら
『今足つってる人へ!足つる直し方を簡単な方法!』
タイムリー過ぎる。あまりにドンピシャ過ぎて、日本語がやや怪しい気がするけどもそんなことを気にかけている余裕はありません。即座に再生。
今足つってる人へ!なんて、まさにカンダタのごとく救いを求めんとしている人を対象としている動画なのに悠長なイントロがお出迎えしてくれまして、即座にスキップ。頼む!出てきて!!内腿のストレッチ方法!!
ありませんでした。
Youtubeの閲覧履歴。最新のは娘が今朝見たもの。 |
もうね、この時点で私の内腿は地鎮祭が必要なレベルでした。これはもうYoutubeではだめだと悟りました。かてて加えて、検索の方法がだめだと思いました。
足、つった みたいな原始人みたいな単語を並べただけで、正確な情報を得ようとするのが遠回りの原因なのです。そもそも、「足、つった」で検索すると、考えられる病気とか潜んでいる可能性のある病気とかいう、検索対象がとんでもない領域まで広がってしまいます。
試しに、いまのあなたの体調で、ほんのささいなことでもいいので気になることをGoogle検索してみてください。90%以上の確率で、がんが指摘されるありさまです。一時期なんか、げっぷが多いなと思って市販薬調べようとしたら「食道がんかも」みたいな検索結果でした。精神衛生上、よろしくない。これは余談でした。
インターネットで検索する際には誤解や齟齬が生まれないよう、明確に指定しなければならないのです。
そう、筋肉の名前ですね。
しかしながら足の内側っていうのは筋肉構造が複雑に入り組んでいます。裏側はハムストリングスですが、内側との境界線について、どこの筋肉なのか、その正式な名称があいまいでした。ならばまずは調べるべきは、地鎮祭を熱烈に要求しいて一揆も辞さない構えでいる筋肉の名前です。こういったときはGoogleの画像検索が役に立ちます。
待ってろ、これで筋肉の部位を指定して伸ばし方を検索して、その方法を実践してくれるわ。
解像度が低くて読めねぇ!!
となった時点で「あっち側」に行ってしまい、悶える結果となってしまいました。
このようにブログなどで個人が自由に情報を発信できるくらいにITが進化した結果、求めたい情報が明確な人にとってもエラー情報が溢れるような結果になってしまいました。
どれだけ技術が進化しようとそれを扱うのは人間。使い手自身が研鑽を怠れば、便利なものも使いこなせなくては意味がありません。日々勉強なのですね。
なお、つった後は空手の準備運動の膝を外に倒すストレッチで窮地を脱しました。午前2時頃。
師範が常々「空手家なら体と筋肉の構造は勉強しておかないとだめだ」と仰ってましたが、そのことばを痛感した夜でした。
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