2022年11月24日木曜日

理念から信念へ

 忘年会では私たち指導員も、門下生の道場でのことを話ながら家庭での様子・悩みや希望などを伺うとともに、道場の理念や信念、方針などをお伝えできる場として…

と案内を下書きしていて、ふと手が止まりました。


いまや「極真空手」という看板だけで門下生が増える時代はとうに過ぎ去って久しい。

大山総裁没後、極真自体も無数に分裂し、それはいまも繰り返しています。そんな状況も相まってか、極真だから習わせたい、という入門者は珍しく、そのほとんどが「武道をさせたい」ということでお子様を連れてこられます。


一昔前ならば「武道させたいなら何も危ない極真じゃなくても」なんて思ったものですが、いまでは立派な教育の一手段として認知されています。それは師範の掲げる「武道教育」という理念ゆえでしょう。


門馬師範がよく指導員に仰る言葉があります。

「人は指導員の実績や肩書きについてくるわけじゃない。理念や信念にこそついてくる。だからそれが無い人はだめだ」


そして忘年会の案内を書いていて、ふと思ったのです。あれ?理念や信念って書いているけど、何がどう違うんだっけ?

ということで辞書で調べてみたところ


【理念】ものの原型として考えられる、不変の完全な存在。事業・計画などの根底にある根本的な考え方。


【信念】正しいと信じる自分の考え。


とのこと。



つまり、理念というのは他の人たちと共有して、それが実現するように向かっていくための共通の理想・目標ということでしょう。道場に掲げられた「3歳からの武道教育」、これはスローガンであり、印象付けるための分かりやすいフレーズなのであって理念ではありません。


門馬道場理念は「武道教育」それ自体。みんなでそれをやっていこうぜ、という理念です。ですが、武道教育で何を与えたいのか、何を育みたいのかという解釈は先生それぞれで違います。


師範は「突き、蹴りだけ教えてる指導員ならいらない」と仰り、「あきらめない心」を掲げて一貫して取り組んでおられます。


では私はというと、少し抽象的に「生きる力」を育むのが武道教育だと考えています。

生きる力とは、その中に師範の仰る「あきらめない心」と、自ら考えて課題を見つけ、それを乗り越える力である「考動力」を指します。でもこれは、私の解釈。


他の先生方はそれぞれ武道教育、つまり極真空手を教えることを通じて、自分の信念に基づいたものを教えています。



そう考えると理念は、組織として他者と共有することを前提とした、目指すべき境地の概念です。


対して信念とは、自分が正しいと信じること。そこには論理的明証性、客観的な正しさなんかはどうでもよく、ただひたすら、自分が正しいと信じていることが是という意味になります。


武道教育が門馬道場の理念。それをどう解釈し何を門下生に与え伝えるかは、指導員の信念次第。

それを踏まえると、理念や信念にこそ人がついてくる、どちらもない人はだめだ、という門馬師範の言葉の重みがよく分かります。

なので門馬道場の指導員には理念、信念そのどちらもが必要です。このうち理念は、師範が「武道教育」というものを掲げてくださったので、誰でも持つことができます。なので大事なのが信念。


先述の通り、信念はある意味でエゴの世界になるわけですが、「その人が正しいと信じること」なんてものは。

その人の経験、体験、教育から生まれる価値観や感性、センスなど生きてきたすべてのものが形作ります。ゆえに、信念は生き方そのもの。


私の場合、感性やセンスはあきらめました。どこかの記事でも書きましたが、勉学に励み、清らかな異性交遊に打ち込まなければならない時期を、フルスイングで空手にブチ込みました。


なので自分の信念を磨くために今できることは、本を読むことであったり、師範はじめいろんな経験をしてきた人の話を聞くことであったり、興味のあるものはとりあえずやってみることだったりするのですが、、


自信をもって「空手が好きだ」と言える生き方をしてきたことは大きな財産だな確信しています。

よく、「そんなに空手に捧げていて辛くないのか?」と聞かれます。辛くないわけがない。ぶっ飛んだ通勤に、やりたいこと、やらないといけないことを飲んで空手のことに向かう。休みもほとんどない。これを辛くないなんて言う人間は嘘つきだとすら思います。


でも、後悔はないし、今でもやるべきだと思うし、これからも続けるべきだと思う。それだけの価値は十分にあるし、やる意義もある。そもそも辛くない稽古で強くなれないのと同じで、辛くなければ修行にならず、修行にならなければ体も心も生き方も強くなりはしない。なによりも、自分の考えと魂が、何度見直してもその生き方を今でも選ぶ。


たまたま空いた時間だけあててきた空手なんて大事なものになんかならないし、少なくとも武道と呼べるしろものではない。大事なものをつっこんできたからこそ、迷わず大事だと言える今があるし、伝えたい大きな価値がある。

暇な時間、気が向いたときに稽古してました。なんて生き方をしてきた人に、信念は宿るのか。何か教えられるのか。そのような人に、お金を出してまで子供を預けたいと思うだろうか。


結局、全身全霊賭けて打ち込まないと信念なんて芽生えないのだから、信念すら持てない人には大したことなんて、できやしないんですよね。少なくとも、子どもたちの人生の一部の大事な時間をもらってる。そこに信念がなければ壮大な無駄遣い、win-winならぬlose-loseの関係でしかありません。


空手という技術も、教育という理念も形が無いもの。だからこそ私たちはブログなりなんなりでその輪郭だけでも伝えようとしますし、それだけでは足らずに直接話さなければ伝わらないこともたくさんあります。


そんな思いを込めてのご案内でした。数年ぶりの道場での忘年会です。門馬道場での忘年会をはじめとした会合は、「とりあえず飲んで騒ごう」なんてテキトーな行事の位置づけではありません。当日、みなさまとお会いでき、そして道場のこと、門下生のこれからのことを話せる時間を楽しみにしています。







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福島県の極真空手なら!
武道教育を実践する門馬道場へ!

【福島佐倉道場】 火・土 19:00~20:30
         土 15:30~17:00
福島市佐倉下上谷地39-1

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指導員 山名慎一郎
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