2022年11月4日金曜日

電話とプレッシャー

 昨日の木曜日・祝日に秋季昇級審査会が開催されました。


受審したみなさんおつかれさまでした。初めての審査だった門下生は緊張したことでしょう。いつも通りしっかり頑張れましたか?



中には、初めて門馬師範を見た門下生もいたかもしれません。

いつも道場の正面に写真があり挨拶している。カレンダーで自分より断然高いところを華麗な回し蹴りで蹴っている。


「実在する方だと知って感動しました」という感想(?)をお聞きすることもあります。


また、師範と共に、普段は目にしない黒帯の先生方を目にする機会ではなかったでしょうか。


普段は私か香代先生かだと思いますが、合宿に参加した門下生は他の黒帯の先生からご指導いただき、普段とは全然違った稽古をできる場となっています。次の合宿は1月7〜9日の三連休で開催されます。


先輩たちは毎回率先して参加していますので、白帯だからとかは気にせず、ぜひ挑戦してみてくださいね。一回りも二回りも大きくなることができる貴重な機会です。



さて、そんな門馬師範と黒帯の先生たち。どんな関係性なのか、行事などだけではなかなか見えてこないと思います。今日はそんな裏話。



実はこれを書いている少し前。私は門馬師範に電話しなければならない用事がありました。それは朝からわかっていたことなのですが、、、


師範の仕事されている忙しい時間帯にかけるわけにはいかない。

こちらの仕事の用事で中断され「また後でかけます」なんて言って切れるわけがない。



なので仕事が終わって電話をかけることにしていたのですが、今度は場所です。職場の人がたくさん往来する場を避ける。なぜなら電話しながら、話すことばは9割方「押忍」のことば。なので職場から離れたところからかけることにしたいのですが、目の前は大通りで車がうるさい。


こちらからかけておいて、騒音で何言ってるか聞き取れない。そんな事態は避けなきゃいけない。



ということで駅までバスに乗り、駅の商業ビルのBGMが比較的静かな場所を見つけました。


「ここだ、、、ここがベストだ」


そう思って門馬師範に電話をかけました。しばらくし着信があったあとに電話に出られた門馬師範。


「押忍、山名です。○○の件でお電話したのですが、いまよろしいでしょうか?」



「山名くん、5分、いや10分待って。こちらからかけ直す」


「押忍、わかりました。待って電話おかけします」


ここで電話を切ったのが19時41分。あれ?10分後にかけるとしてビルが閉店で閉鎖されてしまう!場所を探さなければ!


人ががやがやしていたり、車がビュービュー行き交う中でかけるわけにも行きません。駅を出てミスタードーナツ方面に向かい、車の通りがない広いパーキングの中にいました。



さて、時間です。41分にかけた。10分待ってくれ。ということは51分です。何かしら用事がおありになったということなので、早くかけ直すのも迷惑だ。かといって師範に電話を掛けさせるような失礼もできない。となれば51分ジャストにかけるしかない。いや、待て。わからない。用事が本当に10分で終わるのか?終わってないのにかけたら「掛け直す」と言っていただいたのに急かすことにならないか?どちらが正しいんだ!!


この間、普通なら喫茶店にでもはいってかかり直してくる電話待っているところなのでしょうが、師範相手となると、不動立ちで待機です。悩んでいるうちに、師範からお電話くださり、用件をお話しさせていただきました。


まさに10分経とうとして決断を迫られてる時に師範からお電話で頂きました。


連絡先登録は、基本的に氏名フルネームで統一しているのですが「門馬智幸」とは畏れ多くて登録できない。個人の中で唯一の師範登録です。

ちなみに普段は音楽聴いていたりでイヤフォンとスマホがつながりっぱなしなので、通話もそのままなのですが。。


ですがなぜでしょうね。師範とお話しさせていただくとき、イヤフォンで両手ポケットに突っ込んだままお話しするなんてとてもじゃないけどできません。


カメラ通話でもないから見られてるわけでもない。なのに、直立不動の片手不動立ち。Bluetoothイヤフォンとか便利なのですが、師範にお掛けするのに使うなんてなぜかできません。


いまは学生の門下生もスマホを持っており、LINEなどで連絡をとることができる時代です。

けれどその使い方について。先生であり先輩なので、気軽に用もないのにスタンプ送ったり、「今から道場行くよー」みたいなもの送っちゃだめだと話したことがありました。



極真空手といえば上下関係とそれを律する礼儀は絶対。なので、師範と黒帯の先生は仲がいいとかそういう友達の関係ではなく、ただただ周りから見ると理解が難しいくらい礼儀に徹する関係なのです。



この上下関係なくして極真とは言えない。それくらい昔から先人たちが重視してきたものなのです。


門馬師範は極真の師範の中ではとても気さくに接してくれる稀有な師範です。だからといって私たちが軽く接することができるかというとそういうわけではなく、師範とその指導員として、電話ひとつにも全力な関係なのでした。



審査を受けた門下生はそんな関係性の中のステップを一つ登ります。稽古や空手の技術はもちろん、それ以外の部分でも、礼儀を重んじるこの極真空手の伝統を、しっかり引き継いでもらいたいと思います。


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