もうすぐ40歳なんですが、それでも未だに思います。
数年前、合宿の際に門馬師範から「ドラえもん展」のチケットをいただき、家族で行きました。改めてドラえもんに触れた機会でした。
どこでもドアで遠くにすぐに行けるし、空を飛びたいときにはタケコプターがある。幼いころから見ていたドラえもんは、困ったときにはひみつ道具でピンチを救ってくれる。
でも現実にドラちゃんはいません。
秘密道具もないのに、困ったときやピンチのときはたくさんあります。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
本当に漱石先生の言う通りかと思います。
それで冒頭のとおり、ドラえもんがいてくれたらなぁ、なんて思うんですけども、一つ気づいたことがあります。
ドラえもんは21世紀の未来からきた、ネコ型ロボットです。でもアニメの中の未来と、今の私たちの生きている21世紀は、あと76年ほどあるもののだいぶ違った姿になってきているということです。
空を飛ぶ必要があればタケコプター、遅刻しそうならどこでもドア。とても便利な未来の道具は、何をどう使うか、さえ間違えなければハッピーエンドで終わります。
けれどもいまの現実社会はどうでしょう。便利な道具といえば真っ先に思い浮かぶのはスマートフォンです。
私もそうなんですが、スケジュールはカレンダーで同期させ、みなさまへの連絡はlineで行い、動画はSNSで拡散する。分からないことも音楽ならばSHAZAMで、画像ならばGoogleレンズで、ことばならGoogleで。とにかく、何か困ったときに答えを返してくれます。
かの偉大な哲学者ショーペン・ハウエルははるか昔に警告していました。「読書に傾倒する者は、やがて自分でものごとを考える力を失っていく」。
時は流れ、いまや読書すらしない人が増え、スマートフォンでそのほとんどが事足りる時代となってしまいました。これは物事を考える力を失う、というその警告が、より一層現実味を帯びたように感じるのは私だけではないはず。
余談ですが、幼いころからのスマートフォンの長時間使用は脳の発達を阻害することが最近の研究で分かってきました。ここでは参考までに。
スマホを長時間使う子どもは脳の発達が阻害される…220人のMRIで見えた「不都合な真実」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/240516
今長男がタブレット学習していたり、何かの折にはスマホに任せてしまうところもあり、悩みどころです。紙の学習には変えたいけれども。
少子化が叫ばれ、いよいよ国を担う人材が少なくなるなか、最近ではchatgptが話題になりました。その影響は、世界を間違いなく変えたビル・ゲイツが驚嘆して声明をだし、Googleが緊急事態を社内に宣言するほど。
もはやITが進化して脳の代替すら担いそうないま、教育はもはや不要なのでしょうか?そうではないように思います。むしろ重要性は、より増す。
AIが答えを返してくれるchatgptですが、使ってみたところ正確に使いこなすには、「質問力」が重要だなと感じました。言い換えれば物事の本質をとらえる力、それを構造化する力、的確に表現する語彙力がなければ、人工知能は正常な答えを返してくれません。
思えば現実社会もそうですよね。行動や言葉が誤解され伝播する、なんてのは日常茶飯事。これといった解答のない問題があふれている。そんな中で、「これが正解」と与えてくれる機械は何にどう役立つのか。
四角いコンパクトな端末の中に自分が求めている答えは存在しない。AIがより身近になったいま、それに頼って物事の答えを与えてもらう人間になるのか、それを使いこなす側の人間になるのか。それを分けるのは教育であって、その教育手段を取捨選択し、与える親の判断がより大事なことは言うまでもありません。
女性はお腹を抱えて子を産み、男は頭を抱えて家族を支えるのが筋ってはだれのことばだっけな。そうはいっても、ドラえもん、君がいてくれたら、なんてよく思ってしまいます。
いつかAIが進化して、あんなロボット作ってくれないかなぁ…
なんだかんだ、音楽でもずっと聴いてるんですよね、ドラえもん。童心を忘れてしまったなと思う方は、改めて見てみるといいかもしれません。
映画に連れて行って、コナンを見るつもりが「ドラえもんみたい」に渋々付き合ったところ、涙してしまいました。やがて40歳なのに。
ほんとははやりだったり教養溢れる楽曲の写真を集めたかったのですが、ダウンロード順なので変更できず。ドラえもんやクラシックにまみれてウマ娘がはいっちゃってんのはご愛嬌ということで笑
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