2024年3月29日金曜日

親ガチャ

  KYという言葉が流行ったのはいつのことだったか。KYだよね。は空気が読めてないよね、という忠告の意を含んでいましたが、いまではどうでしょう。

 忠告の意よりも、むしろ「同調圧力を求める日本のうざったい社会風潮」といった捉え方が大きくなっているように思います。


 けれども同調圧力の是非なんてものは問うまでもなく、人間が当たり前に備えている習性です。個人主義なアメリカも、ビジネスシーンではチームという強い同調圧力がありますし、ナチスに忠誠を誓っていた時代のドイツもその最たる例でしょう。何も同調圧力は、日本だけにあるというわけではありません。


 思えば、何かを自由にしたいと思ってもいろんなハードルがあることに、大人になってはじめて気づきます。だって小中学校では教えてくれないんですもん。国語は勧善懲悪の美しい名著の古典を読まされ、歴史では「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」なんていう切り抜きを覚えさせられます。


 そしていざ社会に出てみれば、学歴社会のなかで貧富の差は当然にあり、同調圧力、年功序列…、いきなりハードルだらけの世界に放り込まれます。そこで現実の社会を目の当たりにします。最近では「親ガチャ」なる言葉がある通り、生まれた家庭の収入によって子供の収入が決まる、なんていう統計も出てきていますね。

 これは誰も否定できない厳しい現実でありまして、収入が多ければ多いほど習い事をさせたり塾に通わせたり、子供が頑張れる環境を作ってあげられたりと格差が出てきてしまうことは想像に難くありません。


 でも親の教育って勉強面だけではないのですよね。

 むしろAIが登場して、頭脳的な役割の大半を任せていく傾向にあるなか、学歴社会はこれから大きく変容していくだろうと私は予測しています。学歴(≒学校の勉強)よりも、どんなAIの使い方ができるのかといった発想力であったり、思うようにいかない環境の中でも成功までコミットできる忍耐力であったり、そういったものに人の価値が求められていくようになるのではないでしょうか。


 これからの先行き見通しが立てられない複雑系の世の中で、こどもたちの将来に必要なスキルを選択して、与えてあげる。その意味において、空手が、武道教育がもたらしてくれるものはまさに上のような偏差値では測れない能力なのです。


 けれども子供自身は、その未熟さゆえに自分で適切に選ぶことはできません。私も例に漏れずそんな子供でした。今になって親が習わせてくれていた書道を続けていたら…と後悔することもあります。


 親の教育はものすごく尊い。けれどもその致命的な欠点は「親がいなくなってからしかその苦労や偉大さを知ることができない」ってところだと思うんです。

 みなさん我が子がかわいいと思います。けれどいつまでもそばで見守ってあげられるでしょうか。何か危険が迫ったとき、いつでも手を差し伸べることができるでしょうか。残念ながらそうではありません。


 今朝見たニュースでは、宝塚歌劇団のパワハラで自死してしまった女性のお母さんが「今も生きていてほしかった」とコメントしていました。胸が潰される思いで見ていましたが、たとえ生きていても、子供がいざ生死の境にいるときに手を差し伸べることができないほど難しい世の中なのです。


 順当に行けば?子供よりも先に私たちはこの世を去ります。以後、化けてでも出ない限り見守ることも、助けることもできなくなってしまうのです。ならば親がすべきなのは、何から何までアシストして助けるのではなく。自分がいなくなっても、力強く生きていける力を育んでいくこと。自分を信頼して回り人がいてくれる人間性を育んでいくこと。

 それが武道と武道教育が育んでくれるものなので。ぜひとも、今後スポーツや何かとの二者択一で「どちらを続けるか」なんて迷ったときには、そもそも全く違う目的のものだということ知っておいてもらいたいなと思います。


 親ガチャ。当たり外れがあるのは、私がスマホの課金でよく知っているところではありますが。少なくとも、このブログを読んでくださっているみなさまは当たりでしかありません。なぜなら武道教育という財産を子供に施しているのだから。あるいは自身がそれを習得して、子供に教えてあげることができるのだから。


 その目的を知っていたら、大会での一回一回の負けなんて、教育の財産の一部だと思えませんか?勝って驕らず、負けて腐らず。の言葉は、昇級審査の結果表にも書かれていることばがありますが、勝ち負けのその先にこそ、武道の大きな目的があるからなのです。


 「道」というくらいだから、とてもとても長いもの。試合で勝っても負けても続いているもので、それをひとりひとりが各自の歩幅で歩んでいく。私にとってもまだまだ先は長く、たどり着くところは見えてもいません。

 さてさて、頑張らないと!







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